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廃院には1000万円以上のコストも…地方開業医の後継者問題

4/16(火) 8:00配信

幻冬舎ゴールドオンライン

病院解散・廃院は地域全体を巻き込む大問題

Dさんは息子からの想定外の承継拒否に遭って、危うく後継者不在になってしまうところでした。一時はDさんも「自分が続けられるところまで続けて、死んだら病院は閉じる」と覚悟を決めていました。

最初に紹介したAさんもそうでしたが、病院を閉じるということは、世の中にとって実は開業医自身が考えているより、ずっと大きな問題です。

都会なら近くに別の病院があるかもしれませんが、田舎に行けば病院の数は減ります。地域に1軒あるだけで、その次に近いのは車で20分以上離れたところという町村も多いと思います。そういう地域では、「そこに病院がある」「何かあったら駆け込める」ということが、人々にとってとても大きな安心材料になります。

特に、これからはますます少子高齢化が進み、ひとり暮らしの老人が増えていきます。今まで歩いて通っていた病院がなくなると、彼らは車やバスや電車で遠くの病院まで行かなければなりません。若い人ならいざ知らず、高齢者にとっては大きな負担となるでしょう。

ただでさえ「病院にかかりたいけれど諦める」という医療難民が増えていくことが懸念されているのです。後継者不在で病院を潰してしまうことで、こうした問題に拍車をかけてしまうことになります。

病院はもちろん開業医のものではありますが、それと同時に〝地域の財産である〟ということをいま一度、心に留めていただきたいと思います。

廃院するには、1000万円以上のコストがかかることも

病院を潰すにも次のようなお金がかかります。

登記や法手続きの費用

廃業にあたっては各方面に届け出をしなくてはなりません。従業員を雇用していて、社会保険の適用を受けている場合は、その手続きも必要です。医療廃棄物の処分費用医療器具や薬剤などは専門業者に依頼して、医療廃棄物として処分してもらわなくてはなりません。

医療用検査機器の処分費用

CTやMRI、レントゲンなどの検査機器は、まだ使えるものは中古品として買い取りしてもらえますが、古いものは廃棄になります。リース代が残っているものについては、その清算もする必要があります。

建物の取り壊し、原状回復の費用

テナントを借りて開業している場合などは、建物を元の状態に戻して返還しなくてはなりません。土地を借りて自前の建物を建てている場合は、建物を取り壊して借地を返還することになります。契約の内容によっては、解約金・違約金などがかかってきます。

従業員の退職金

雇っていたスタッフを解雇することになるので、各人に退職金を支払わなくてはなりません。

借入金の残債の清算

病院に借金があれば、廃院までに清算が必要です。

病院の規模や診療科目などにもよりますが、場合によってはトータルで1000万円以上かかるケースもあります。

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最終更新:4/16(火) 8:00
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