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日本人は知らない…「改正入管法」施行でこれから本当に起こること

4/16(火) 6:01配信

現代ビジネス

2つの問題

 現在、日本の総人口が1億2652万人(2018年6月時点)であるのに対して、在留外国人は264万人(同時点)。

 すでに日本に住む人々の50人に1人が外国人ということをご存じでしょうか。

 新たな外国人の受け入れ制度である「改正出入国管理法」が4月1日から施行されることによって、日本の総人口に占める外国人の比率がこれからさらに高まっていくことは間違いありません。

 政府は外国人労働者の受け入れを拡大するために、在留資格となる「特定技能」を創設し、介護、外食、建設、農業、宿泊など人手不足が深刻な14の特定産業分野に今後5年間で約34万5000人の外国人労働者を受け入れるという目標を掲げています。個別の産業分野では、介護で6万人、外食で5万3000人、建設で4万人、農業で3万6500人、宿泊で2万2000人の受け入れを見込んでいるということです。

 新しい在留資格が対象としているのは、単純作業の労働者や高度な専門技能を有する労働者ではなく、基礎的な日本語能力と技能を有する平均的な人材であるということです。

 法務省の「入国管理局」は「出入国在留管理庁」に格上げされ、外国人労働者が働きやすい環境を整えるとともに、来日時に外国人労働者に多額の借金を背負わせる仲介ブローカーの排除を目指しているといいます。

 とはいえ、改正入管法が始まったところで、政府が唱えるようないいことばかりが実現するわけではありません。というのも、私は今回の新しい制度について、2つの問題点が生じると考えているからです。まず1つめの問題点というのは、これまでと同じように、外国人労働者の低賃金労働が蔓延するのではないかということです。

7割以上が法令違反

 今まで日本が受け入れてきた技能実習生の賃金水準は、各々の産業の労働者の平均よりかなり低い最低賃金程度に設定されることが多く、実習期間中における昇給もほとんどないという状況が放置され続けてきました。

 厚労省の調査によれば、7割超の企業が何らかの労働基準関連法令に違反しているとされています。

 現実に今回の法改正においても、外国人労働者が意欲を持って技能向上に努めることができる制度となっているとはいえないようです。そのために技能実習生としての外国人から特定技能を有する外国人に衣替えをしたとしても、多くの外国人労働者が低賃金労働を強いられる可能性が高いと判断せざるをえません(ただし、次の問題点で取り上げるように、低賃金を多少は緩和する仕組みがないわけではありません)。

 もう1つの問題点についてはあまり報道されていないのですが、外国人労働者は特定技能に該当する業種は変更できないものの、同じ業種であれば事業所を自由に選べるということです。

 以前からある技能実習生の制度では、外国人労働者は事業所の移動が制限されていて、実習先の企業が提示する低賃金を受け入れざるをえませんでした。ところが、特定技能を有する外国人労働者は、同じ業種の範囲内では自らの希望で勤務先を変えることができるというのです。

 たしかに、外国人労働者が自由に勤務先を選べるのであれば、技能をより高く評価してくれる事業所からの誘いに応じることもできますし、勤務先の事業所に残留する条件として昇給を求めることもできるようになるかもしれません。そういった意味では、法律の内容が低賃金を多少は緩和する仕組みを内包しているとはいえるでしょう。

 それではなぜ、私がこの内容を問題点として取り上げるのかというと、これでは外国人労働者が賃金水準の高い大都市圏に集中する一方で、地方では人手不足が一向に解消しないという事態が予想されるからです。

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最終更新:4/17(水) 1:20
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