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軽く注意しただけで無断欠勤、「被害者ぶる新人」への対処法

4/16(火) 6:01配信

ダイヤモンド・オンライン

 新入社員への対応に頭を悩ます管理職や経営者が非常に多くなっている。そこで今回は、よくありがちなケースについてみていきたい。(心理学博士、MP人間科学研究所代表 榎本博明)

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 ある中堅の食品卸会社(Z社)でのことである。新入社員Aさん(男性)が研修を終えて営業部に配属されると、元気に挨拶し、歓迎会でも終始笑顔でみんなと談笑していた。そんな姿を見たB課長は、明るい雰囲気の新人が入ってきてよかったと喜んだ。

 本人と話しても、応答はしっかりしているし、さらに学生時代、アルバイト先で責任ある仕事を任されていたということもあって、B課長は「これは戦力になりそうだ」と期待した。

 新人の早期育成と離職低減の効果もあることから、Z社は数年前から研修時にチューター制度を取り入れたのである。

● 新人が突然の無断欠勤! チューターに事情を尋ねるが…

 新人のAさんは配属された当初も、いつも元気に挨拶するし、仕事中も明るい笑顔が見られた。だが次第に表情がくもりがちになり、彼の挨拶の声も小さくなってきたのがB課長には気になっていた。

 2週間ほど経ったある日、Aさんが突然無断欠勤をした。

 かつてなら新人が無断欠勤すると、大いに慌てたものだが、B課長は近頃の新人が突然休むというのはそれほど珍しいことでもないと聞いていた。そこで本人を追い詰めてもいけないと思って連絡するのを控え、チューターのCさんに何か心当たりがないかどうか尋ねてみた。

 Cさんは、ちょっと突き放すような感じでこう言った。

 「特に心当たりはないですね。体調でも崩したんじゃないですか」

 彼の言い方がいささか気になったものの、それ以上追求しなかった。

 Aさんは翌日も来なかったため、心配したB課長は自宅に電話をしてみたが応答がなかった。そこで、終業後にB課長は人事部のDさんと一緒にAさん宅を訪ねたのである。呼び鈴を鳴らすとAさんがバツの悪そうな表情で出てきた。

 この手のトラブルに慣れているDさんから「責めるような言い方は決してしないように…」と言われていたため、B課長は柔らかい口調でAさんに話しかけた。

 「体調が悪そうだね。どうしたのか心配で様子を見に来たんだよ」

 するとAさんは「わざわざすみません…」と言ってしばらく沈黙した後、突然一気にまくし立てた。

 「実はチューターのCさんの言い方がきつくて、会社に行くのが嫌になっちゃったんです。これまでバイト先でもあんな言い方をされたことはないし、はっきり言ってパワハラです。でも、今すぐ辞めるのももったいないし、Cさんに注意してもらえませんか。そしてチューターを代えてください」

 それを聞いたB課長は、社内にそんなパワハラの話が広まったらAさん本人が困るだけでなく、Cさんにも傷がつく恐れがあると思い、暗い気持ちになった。そして、どんな言葉を返したらよいかわからなくなった。

 返答に窮する表情を察した人事部のDさんがAさんとのやりとりを引き継ぎ、「今後の対応については至急検討する」旨を伝えた。そしてAさんと話し合いの結果、週明けからこれまで通りに来てもらうことになった。

 帰り道、B課長はDさんから「こういうことは最近いろんな職場で起こっているので、あまり気に病まないように…」と励まされた。そして今後の対処法についてのアドバイスを受けたのである。

● 注意するだけで パワハラになるのか?

 「最初に事実関係を把握しなければならない」

 そう考えたB課長は、AさんのチューターであるCさんに彼の言い分を伝え、実際にどんなやりとりがあったのかをヒアリングした。

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