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「PDCA・コスパ・KPI」が第4次産業革命を潰す理由

4/16(火) 6:10配信

東洋経済オンライン

いま世界では、AI、ビッグデータ、IoT、ロボットといった革新的なデジタル製品・サービス・システムが経済社会を大きく変革しつつある。いわゆる「第4次産業革命」だ。
この「第4次産業革命」の時代に求められるのは、どのような人材か。そして、その人材を育成するには、どうしたらよいか。
『富国と強兵 地政経済学序説』で、「国家とイノベーション」を論じた中野剛志氏が解説する。

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■加賀市の「STEAM」教育

 世界各国そして日本各地で、新たな人材育成に向けた模索が始まっている。そのような中、ユニークな取り組みで注目を集めている地方自治体がある。石川県加賀市である。

加賀市は、Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、Art(芸術)、Mathematics(数学)の頭文字をとった「STEAM」教育の充実を掲げ、これまでも、小中学校におけるプログラミング教育の実施、ロボット・プログラミング教育の国際大会「RoboRAVE」の開催、さらには日本初のコンピュータ・クラブハウスの開設など、先進的な取組を次々と打ち出し、地方自治体におけるIT人材育成の先頭を走ってきた。

 その加賀市が、また新たな一手を打ち出そうとしているという話を耳にした。

2019年度の夏休み期間中に、課外授業の一環として、数学の魅力を体験することを目的とした「数理女子ワークショップ」の開催を企画しているというのだ。対象となるのは、加賀市内の小中学生(男女)およびその保護者である。この企画が実現すれば、同ワークショップが初めて東京大学外で開催されることになる。

 プログラミング教育など新しい教育に力を入れてきた加賀市が、なぜ、今度は「数学」教育に目をつけたのであろうか。

 その答えは、文部科学省と経済産業省の研究会が発表した報告書(以下「報告書」)の中にある(なお、本報告書の作成には筆者も関与しているが、本稿は筆者個人の見解である)。

タイトルは、『数理資本主義の時代:数学パワーが世界を変える』だ。

 その冒頭に、こうある。

 「この第四次産業革命を主導し、さらにその限界すら超えて先へと進むために、どうしても欠かすことのできない科学が、三つある。
それは、第一に数学、第二に数学、そして第三に数学である!」

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最終更新:4/16(火) 6:10
東洋経済オンライン

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