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「自衛官よりレア」女性バス運転手は増えるか

4/16(火) 5:10配信

東洋経済オンライン

 女性活躍が言われるようになって数年が経ち、多くの企業で女性役員や管理職が生まれている。そんな中、今でも女性が就くこと自体が珍しい職業がある。バス運転手だ。他の多くの業界・職種では女性の「管理職への登用」が話題になっているが、バス運転手は、そもそも女性の数自体が非常に少ない。

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■女性の採用に力を入れざるをえない構造

 どれくらい少ないかと言うと、女性比率が低いといわれる自衛官を下回るのだ。自衛官に占める女性比率は6%に対し、バス運転手に占める女性比率は1.5%にとどまる。

 そんな中、昨年設立されたのが、一般社団法人女性バス運転手協会だ。情報発信やイベントを通じて、女性のバス運転手を増やそうとしている。今年の3月初めには、東京・表参道でタレントや現役の女性運転手を集めたイベントを開いた。来賓として国土交通省関東運輸局の自動車交通部長も挨拶をして、バス運転手に女性が就くことの意義を強調した。

 バス業界が女性を急募するようになった背景には、深刻な人手不足がある。バスに限らず、タクシー、トラックなどのドライバーは高齢化で退職者が増えている。一方で若年男性だけではサービスのニーズを満たすことができず、女性の採用に力を入れざるをえない構造がある。

 筆者はこれまでさまざまな業界・企業の女性活躍について取材をしてきたが、これほど本気で女性を待ち望んでいることが伝わる例は珍しい。女性用更衣室を豪華にするなど「とにかく来てほしい」ことは素人目にも明らかだ。業界のアピールや女性の人権問題からではなく、労働力確保という純粋に経済的な理由で女性を増やさざるをえない状況なのである。

 3月初旬のイベントでは、4社の女性バス運転手が仕事の実情を話し合う、トークセッションが行われた。そこでは、異業種から転職してきた女性運転手たちから、バス運転手という仕事の魅力について語られた。

 例えば「バスの運転手は深夜勤務も体力仕事もなく、働きやすい」「乗務時間に応じて給与がもらえるし、性別による賃金格差がない」といった条件面のメリットや「お客様から『ありがとう』と言われると嬉しい」「女性が珍しいためか『頑張ってください』と声をかけられることもよくある」といったことだ。やりがいに関する発言が多く出てきたのが印象的だった。

 大型二種免許が必要なバス運転手の仕事には、向き不向きもあり、誰にでもできるものではない。「もともと運転が好きだった」「運転好きでトラック運転手を目指していたが、知り合いの勧めでバス業界の就職について調べたら、接客も好きな自分に向いていた」と話す人もおり、やはり、自動車の運転が好きだったり、得意だったりする人が就くことが多いようだ。

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