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Adobe成功の秘密は『茶葉を読み』『舟を焼いた』ことにある

4/17(水) 8:04配信

エイ出版社

さらに、AdobeのAI『Adobe Sensei』(なぜ、Adobeが『先生』という日本語を使ったのか、日本人にとっては謎だが……)によって、繰り返し作業などはどんどん解消されて行く。なにしろ、分析によると我々の仕事の75%は繰り返し作業だそうで、それをAdobe Senseiが完全に解消してくれるのなら、仕事の効率は4倍になる。

Adobe成功の秘訣『茶葉を読め』『ボートを燃やせ』

サブスクリプションになると、我々が支払うお金は総額では高くなる可能性が高いが、代わりに1回に払う金額は非常に小さくなる。

これにより、使い始める人が非常に多くなったのだそうだ。

さらに、常に最新のアプリケーションが提供され、顧客満足度も大幅に上がったという。

もちろん、最初はAdobe社内にもサブスクリプション化も不安を感じる声も多かったという。しかし成果が上がるにつれて、賛成する声が多くなっていったという。なにしろ、世界で数百万人だったユーザーが、数千万人のオーダーに増えたというから、その成功は途方もなく大きいといえるだろう。

この、サブスクリプションモデルへの移行の最初のアイデアはどこら出てきたのだろう? リンゴが落ちるのを見てニュートンが重力を思いついたように、サブスクリスションという方法論が頭に降ってきた瞬間があったのだろうか? 当時を知る人に話を聞く機会はめったにないだろうから、筆者は勇を奮ってブライアン・ラムキンさんに質問してみた。

「どうでしょう? ユーレカと叫んだ時かどうかは覚えていません(笑)しかし、Adobeには大きな意思決定をする時に大切にする言葉があります。それは『Read the Tea Leaf(お茶の葉を読め……お茶の葉の模様で未来を占ったことに由来する)』と『Burn the Boats(ボートを燃やせ)』という言葉です。現時点でなく、未来にどうなっているのかを一生懸命考えてプランを練り、いざ意思決定をしたら中途半端なことをせずに、古いボートを燃やして退路を断ってチャレンジしろということです。」

その言葉の通り、Adobeは将来を考えてアプリのクラウド化、サブスクリプション化を進めて、当たり前の方法だったパッケージアプリの販売をやめてしまった。

その結果が、今の成功というわけである。

『Read the Tea Leaf』と『Burn the Boats』。ビジネスの、そして人生の意思決定のために、ぜひ覚えておきたい言葉である。

(出典:『flick! digital (フリック!デジタル) 2019年4月号 Vol.90』)

(村上タクタ)

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最終更新:4/17(水) 19:35
エイ出版社

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