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世界が注目する久保建英、その成長の跡とは? “間違い”を誘う技術、敵陣以外でも増す凄み

4/17(水) 11:16配信

フットボールチャンネル

明治安田生命J1リーグ第7節が14日に行われ、ホームのFC東京が鹿島アントラーズに3-1で勝利した。前半で3点を奪った東京だったが、試合の流れを引き寄せた2点目、3点目のロングカウンターの起点になったのは、自陣にいたMF久保建英。バルセロナなどビッグクラブも注視すると言われ、海外の報道も過熱してきた逸材が見せた、成長と凄みとは?(取材・ 文:下河原基弘)

【動画】久保建英、鮮やかドリブルでゴール演出!相手DFを翻弄する超絶テクを披露

●「とりあえず」の技術の高さ

 これが世界のビッグクラブも注目する選手なのだろう。1-0の前半16分、自陣ペナルティーエリア少し外でクリアボールに向かった久保建英は、足をうまく使って敵をかわしマイボールにする。そして一連の動きで前方を確認すると、相手選手の頭の上を越えるふわりとした球をFW永井謙佑に通した。

 周辺にいた鹿島の選手3人を一気に無力化する柔らかく絶妙なボール。絶好の形で受けた爆速ストライカーは、そのままドリブルで駆け出すと、前方を走るFWディエゴ・オリヴェイラにパス。エースは冷静に相手をかわしてゴール右隅に突き刺した。「2点目(のパス)はちゃんと狙いました。本当に連係もよかったです」と17歳は話したが、これだけでは終わらなかった。

「前半がすべてでした」と敵将・大岩剛監督をなげかせた、同29分の決定的な3点目。またも起点は自陣ペナルティーエリア、やや外にいた天才だった。

 鹿島のボールを奪い、流れるような動きで胸、左足と浮かし、体を回転させながら球を相手から遠い位置に動かすと、そのまま左足でロブ気味に前方へ蹴りだした。前に出た敵DFが触れず、センターサークル内にいたディエゴ・オリヴェイラにつながると、エースはそこから一気に加速。最後はGKとの1対1を制し、ゴールをきっちり決めた。

「3点目はほぼクリアみたいな、とりあえずディエゴに蹴っておこうという感じですね」と話したが、敵に再度奪われる可能性もあり、かつ危険なエリアだったにもかかわらず、“間違い”が起こる可能性がある場所にボールを送れた技術は、さすがの一言に尽きる。

●日本代表とのマッチアップ

 本来であれば敵陣、さらに言えばペナルティーエリア付近でこそ17歳の才能は強く輝くのだろう。加えて前を向き万全の形で足下にボールが入った時こそが、ドリブルなどの選択肢も含め最も力を発揮できる形に近いはずだ。

 だが得点の起点になった2つのシーンは自陣、しかも決して浅くない場所だった。状況も十分でなく、少し対応を誤れば相手に奪い返される恐れもあったが、そこから致命的なダメージを与えるプレーを出せるのが、今の久保の凄みであり成長の跡なのかも知れない。

 試合に大きく関与できるエリアが日に日に広がり、苦しい体勢からでも力を出し切れるようになってきている。10日のルヴァンカップ・サガン鳥栖戦後に、長谷川健太監督が「すべてがスケールアップしていると思う」と語っていたが、まさに、こういうことなのだろう。

 鹿島の選手との接触もあり後半23分に交代したが、長谷川監督は「前半は言うことないできだったと思います。守備の部分でも安西みたいな、鹿島の武器でもある代表選手とマッチアップしても、臆することなくプレーをしていたと思いますし」と称賛。

 さらに「ルヴァンカップから中3日、もちろんルヴァンの方は時間を制限して30分ぐらいしか出ていませんけど、そういう中でしっかりとしたプレーをして、また得点につながるようなプレーもしてくれたのは非常に大きな活躍をしてくれたのではないかと思います」と、日程にも負けずタフに戦い、結果残したことに目を細めた。

●「今までにはないようなチームが来るというのはあります」(大金直樹社長)

 そして試合後のミックスゾーン。東京の大金直樹社長が記者に対し、一部海外メディアで報じられたバルセロナ復帰内定という報道への説明を行った。「内定という表現になっていますけど、例えばバルセロナと契約行為があったとか、そういったこともございませんし、交渉そのものも現時点ではありません。記事によると6月以降、バルセロナにと書いてありますけど、何も決定してないですし、決まっておりません」と、今回の記事が事実無根であると明言した。

 一方で、「以前にもお話ししたと思いますけど、調査というか紙が来て、完全なオファーではなくて、調査という点については他のクラブからもございます。それは事実としてあります。ただ、獲得の意思であるとか、オファーが来るというのはまったくないので。例えば試合にスカウティング、見に来られることはありますし、ただそこは選手を見に来ているのだなと。あえて久保選手を見に来るということではないですよ。あくまでも」と前置きをしたうえで、「ただ今までにはないようなチームが来るというのはあります」と語った。

 チームは無敗で2位と調子は良い。その原動力の1つが、世界が熱視線を送る17歳の存在であることは間違いない。「活躍してくれることはうれしいし、これだけ戦力として戦ってくれている。チームの好調さというのは建英の力もあると思っているので、これに関してはクラブとして、監督も含め今後も彼がやはり必要だということは変わりない」と強調した大金社長。

「ただ、世界が注目してくることもあるのだろうなというのは感じているので、注目するのはいいけれど、出したくないというのは、それはもう本音としてあります」と、今後も久保が東京の一員として戦うことを熱望した。

 次節は首位・サンフレッチェ広島との直接対決が待っている。この大一番で、長谷川監督も「持っている選手」と認める天才が、何をピッチで表現するのか。世界が注目している。

(取材・ 文:下河原基弘)

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最終更新:4/17(水) 12:14
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