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バブルは「別の顔」でやって来るー超金融緩和のリスク

4/17(水) 15:16配信

nippon.com

熊野 英生

主要国で進む超低金利の弊害は、インフレではない。問題は今またバブルの臭いが少しずつ漂ってきたことだ。

ニューヨーク株価は2018年10月から大きく崩れて年末には大底をつけた。ところが、米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が1月初めから利上げ停止を示唆し始めると、急速にリバウンドが進む(図表1)。10月の下落前に接近するまでわずか2カ月半だった。こうした米株価のリバウンド過程で特徴的だったのは、米長期金利が低下したことである。株高と債券高が同時に起こったということだ。さらに、一時は為替もドル安に傾きつつあったが、逆に株高を好感するようにドル高へと切り返した。長期金利が低下するのにドル高というのは異様にみえた。「株高・債券高・ドル高」のトリプル高になった。これは典型的な金融相場、ドルのマネー拡張現象だと分かった。

リバウンドの大きさで言えば、上海総合指数の方が劇的だ(図表1)。18年中は下落する一方だったのが、1月初めをボトムにして3000ポイントを約2カ月で超えた。中国も19年に入ると、預金準備率の引き下げなど金融緩和に動く。

米中とも貿易戦争のダメージが実体経済に及ぶことを事前に計算して、即効性が見込める金融政策を緩和方向に柔軟化したのである。日本株はまだ半値戻しで、18年末の株価下落からの立ち直りが鈍い。しかし、注目すべきは、この反応が一時的なものではなく、日銀と欧州中央銀行(ECB)の金利正常化の路線に修正を迫ることである。米中貿易戦争のダメージは、長期化して、それが世界的な過剰流動性をさらに後押しする結果を引き起こすだろう。

次なるバブルの芽は、そうした周回遅れとなる日欧の金融緩和のさらなる延長、場合によっては追加緩和によって育てられるとみられる。ゼロ金利やマイナス金利の状態が続くということは、金などの商品や仮想通貨といった利息の付かない資産への投資が促進される。例えば、債券の利子が極端に低下すると、金や仮想通貨のような無利息資産との差がなくなる。むしろ、金や仮想通貨の方が値上がり益を見込める分、期待収益率が高くみえる。少ない元手で大きな取引が可能となるレバレッジを誘うことで、投機が起きやすくなるのである。

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最終更新:4/17(水) 15:16
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