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【親の終の棲家をどう選ぶ?】 壊れていく母|入浴拒否、大量の汚れ物、感情の激しい浮き沈み……

4/17(水) 11:03配信

サライ.jp

取材・文/坂口鈴香

大島京子さんの母・総子さんの認知症の進行により、暴言にさらされ続けた父・敏夫さんの体調は悪化。ついに要介護5となり、長い入院生活を送ることになった。大島さんと兄の、仕事をしながらの介護生活はますます大変なものになっていった。

激怒する母と大量の汚れ物

敏夫さんの入院は3か月に及んだ。その間、大島さんと兄は、交代で総子さんのもとに通った。

「母は、週1回、半日のデイサービスに行く以外は、1日のデイサービスやショートステイはもちろん、入浴も、オムツもすべて拒否していました」

このころが、大島さんと兄がもっとも大変な時期だったと振り返る。

「1週間ほど介護休暇を取って母の介護をしましたが、そう長くも休めなかったので、仕事に復帰しました。仕事帰りに実家に寄り、晩ご飯を作って母と食べ、朝昼食用にすぐに食べられるものを置いて出勤する毎日。父を見舞い、実家に行くと、粗相して汚れた下着が大量に放置してあるので、寝具も含めた洗濯も大変でした。兄と交代しながらなのでなんとか続けられたものの、私一人だと乗り越えられなかったと思います」

仕事中も総子さんから頻繁に電話がかかってきた。「兄とケンカした。憎たらしい。すべてに腹が立つ。食欲もない。おいしくない。つまらない」とひたすら繰り返す。大島さんが兄に聞いてみると、「何度も会社に電話をかけてくるので、突き放したから怒っているんだろう」という返事。そのあとも兄への激怒と、電話は繰り返された。

父を自宅に戻せない

そのころ、敏夫さんが入院している病院からは退院を迫られていた。

「ただ自宅にも認知症の母がいるため、介護の必要な父を自宅に戻すことはできないということで、早急に施設を探してほしいと言われたんです。仕事しながら母の介護をするだけでも手一杯なのに、施設探しまでとなると難題です。どうしたものか、と兄と二人で頭を抱えました」

そんなある日、大島さんは職場に来た回覧物が目に留まった。大島さんの会社では、取引先の商品を紹介するチラシが回覧されることがあった。その中に、有料老人ホームを運営する取引先企業による施設見学会のチラシが入っていたのだ。

「まったくの偶然なのですが、そのチラシを読んでみると、実家の近くにもその企業が運営するホームがあることがわかったんです。そこで早速兄と見学することにしました」

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最終更新:4/17(水) 11:03
サライ.jp

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