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すべては楽天のために。平石洋介新監督「僕の評価はどうだっていい」

4/17(水) 7:32配信

webスポルティーバ

 平石という人間は、周囲が求めるような監督像に執着していない。その心情は、1対1で話すとよくわかる。

 監督として――そういった類の質問を投げかけると、彼は優しく制止するように、自らの想いをぶつけてくれるのだ。

「これ、きれいごとでも何でもなくてですね、僕の評価なんてどうだっていいんですよ。監督はチームの全体を把握して決断しますし、それが勝敗を左右するわけですから、責任の重さはものすごく感じています。だから、とにかく勝ちたいんです。強くして、魅力あるチームにしたいんですよ。お世話になっているイーグルスをなんとかしていい方向にもっていきたい。その想いしかないんです」

 世間が今年の平石に大きな関心を寄せるのは、単に新監督となったからではない。

 38歳の12球団最年少監督であり、楽天初の生え抜き監督。そして、最大の金看板こそ、「松坂世代最初の監督」であることだ。

 これらは事実ではあるが、平石を祭り上げるための材料ではない。その若さ、松坂大輔という誰もが知る選手とリンクさせることで、多くの人間が平石に注目するが、「チームをいい方向にもっていきたい」という彼の根っこは、コーチ時代から何ら変わりはない。

 今年の春季キャンプから楽天を見ていて、変わったと感じる点はいくつもある。

 ひとつ挙げれば、練習前のウォーミングアップと試合前のシートノックだ。平石からこれらについて「どう思います?」と尋ねられた。明らかに変わったとすれば、声が出るようになった――そう伝えると、新監督が微笑む。

「たらたらアップするんじゃなくて、声を出して全力で走ったり、動ける準備をしないといけないんでね。シートノックだって、試合前に選手同士の息を合わせられるのってそこしかないじゃないですか。だからね、そこは口うるさく言っています」

 平石が掲げる強いチームにすること。その地盤を築くために選手たちに求めているのは緊張感と集中力の持続だ。

 新監督はそれを、「競争」という言葉でチームに浸透させている。生え抜きの選手、指導者として二軍から一軍まで楽天を見続けてきた平石が言うそれは、「結果を出したものがレギュラー」といった杓子定規な狙いではない。昨年までの主力は「胡坐(あぐら)をかくな」と尻を叩き、二軍でくすぶっている選手たちには「這い上がってこい」と鼓舞する。

 平石は開幕カードで意志を貫いた。

 開幕戦の6回。2点リードながら二死一、二塁のピンチでマウンドに送ったのは、昨年途中に育成から支配下選手となった石橋良太だった。オープン戦で好投したといっても、一軍での登板は通算で6試合と経験は少ない。ましてや、開幕戦の勝敗を左右する窮地で、ブルペンでは経験豊富な青山浩二や福山博之が控えている。それでも平石は、「いいシュートがあり、変化球で左右に揺さぶられる。信頼していたから出した」と石橋に託したが、ブランドン・レアードにそのシュートをレフトスタンドまで運ばれた。

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最終更新:4/17(水) 7:32
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