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アジアの大国で注目の選挙 インド総選挙/インドネシア大統領選

4/17(水) 8:00配信

幻冬舎ゴールドオンライン

アジアの大国、インド、インドネシアで注目の選挙が行われている。その結果は、世界経済や市場にどのような影響を与えるのだろうか。本記事では、Nippon Wealth Limited, a Restricted Licence BankのCIO長谷川建一氏が2つの選挙に関して、現職の実績、与野党の政策、市場の反応などから、両国の将来性と世界経済に与えるインパクトを予測する。

世界最大の選挙はスケールも大きい

インドでは、4月11日から総選挙の投票が始まった。この選挙は下院の543議席を全て小選挙区で争われるが、投票はなんと有権者の数だけで約9億人という世界最大の選挙である。選挙も選挙区によって投票日が異なり、投票は7回に分けて実施される。最終投票日は5月19日で、5月23日に開票が終わり、勢力図が確定するまでに6週間もかかる。世界最大の規模感は、他ではなかなか味わえないだろう。

2014年に行われた前回の総選挙では、モディ現首相が率いるインド人民党 (BJP)が282議席を獲得して、30年ぶりに単独で下院の過半数を制した。そして、モディ政権は、安定して政権運営を担うという期待とモディ氏への高い人気を背景に、外資導入の積極化やインフラ整備の推進といった投資促進に加え、2016年11月には高額紙幣を廃止、2017年7月には物品サービス税(GST)導入と、経済構造改革を断行しながら、高い成長率を達成してきた。一方で、農業問題や失業問題、経済改革などを巡っては、既得権益との軋轢もあり、今回の総選挙でも、盤石な選挙展開は見通せていない。

対する野党側は、2018年12月に実施された地方の州議会選挙では、有権者の不満の受け皿となって勢力を回復し、人民党から主要な州で多くの議席を奪い返した。そして、そのまま、総選挙には、野党が統一戦線を組んでモディ政権に対峙し、政権を奪還する観測も広がった。インド株式市場では、与党インド人民党への評価が高いため、地方選挙での苦戦が続き、モディ政権の存続可能性が低下したと見て、2018年末からは調整色を強めた。

しかし、地方選での勢力回復は、野党結集の足並みを乱れさせた。結局、今回の総選挙では、統一戦線は実現しなかった。そして2019年2月にカシミールのパキスタンが実効支配する地域を拠点とする過激派勢力が引き起こしたインド治安部隊への自爆攻撃に対して、モディ政権が、強硬な対抗措置を採り、軍事行動に出たことで、潮目が変化した。選挙直前の世論調査などからは、人民党の勢力は選挙前の勢力には及ばないものの、下院の過半数を再度占める可能性が高まっている。

株式市場もこれに応じるように戻り局面を鮮明にしてきた。人民党が下院での多数を維持し、モディ政権が継続することで、国内政治の安定感が増せば、構造改革継続への期待や経済政策の継続性がインド経済への評価を高めるシナリオを織り込み始めている。

インド経済自体は、着実に成長しており、構造改革の進展から、成長率はさらに加速すると予想している。IMFが発表した世界経済予測(4月)では、インドの成長率は2019年度が+7.3%、2020年も投資の回復が見込まれ+7.5%まで上昇すると予想されている。景気拡大局面から企業業績も拡大が続く見込みであることに加え、内需消費が主導するインド経済は、相対的に米中貿易摩擦の影響を受けにくいと考えられる。予想PER(株価収益率)からすれば、株価に割高感がないことも、注目点である。

インド中央銀行の金融緩和姿勢も明確になってきており、政権交代やインフレ率上昇といった懸念が払しょくされれば、株式市場を取り巻く環境は良好な状態が続くだろう。長期でのインド経済の成長の可能性は勿論大きいが、中短期でも、引き続き強気の姿勢で臨むべきであろう。

いずれにしても、今後5年間の政権を誰がどう担うのか、今回の総選挙には注目しておきたい。

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最終更新:4/17(水) 11:36
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