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「楽しく浪費し続けるための不真面目ファイナンスプラン」を提案する1冊〈ベストセラー街道をゆく!〉

4/17(水) 7:00配信

Book Bang

 時代が変われば価値観も変わる。消費の形態だって同様だ。ソーシャルゲーム上のレアカードを手に入れるために課金に応じる人もいれば、大好きなアイドルと一対一で向き合う数秒のために同じCDを大量に買う人もいる。だが「お金」そのものの話――つまり貯蓄や運用の話となると途端にイメージが硬直し、充分なアップデートがなされてこなかったのもまた事実。

 そんな中、「楽しく浪費し続けるための不真面目ファイナンスプラン」(! )を提案し、さまざまなオタク活動に心血を注ぐ人びとを虜にしている本がある。その名も『一生楽しく浪費するためのお金の話』。発売からわずか十日足らずで3刷2万部に達し、多方面から熱い注目を浴びている。

 著者の劇団雌猫とは、趣味に惜しみない愛情と金を注ぎ込む女性たちの生活事情を紹介した『浪費図鑑』というベストセラーでお馴染みのアラサー女性4人組ユニット。彼女たち自身、浪費家であると公言している。一方、本書の指南役・ファイナンシャルプランナーの篠田氏も「根っからの現場主義」。野球観戦やライブ参戦、舞台観劇を生きがいにしている気合の入ったオタクであるため、あくまで劇団雌猫の面々や読者と同じ土俵に立ちながら、必要な情報を的確に整理してくれる点が最大のポイント。貯蓄の目安から国の制度、資産運用の方法まで、安心かつ省エネで続けられる勘所を実にわかりやすく説いていく。

「おかげで他の本に比べて感想ツイートが多い上に、“iDeCo(個人型確定拠出年金)始めました!”といった具体的な行動につながった内容のコメントが多いのも特徴です。私自身がそうだったのですが、“老後に備えたいものの、そもそも何から始めたらいいのかわからない”という人はきっと想像以上にいるのではないかと。本書でひとつの指標を示せたのではないかと思っています」(担当編集者)

 篠田氏が巻末で述べているとおり、今後は「自助努力」が必要となる時代。人生を豊かに生きるためには、「ただ貯める」のではなく「よりよく使う」ための方策こそが不可欠なのだ。

[レビュアー]倉本さおり(書評家、ライター)

新潮社 週刊新潮 2019年4月11日号 掲載

新潮社

最終更新:4/17(水) 7:00
Book Bang

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