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過熱が懸念される不動産関連融資

4/18(木) 11:41配信

NRI研究員の時事解説

不動産業向け貸出に過熱のサイン

日本銀行が4月17日に公表した「金融システムレポート(2019年4月)」では、日本の不動産市場、不動産業向け融資に焦点が当てられた。日本銀行は同レポートの中で毎回、金融循環上の過熱感や停滞感の有無を点検するために、14の指標に着目し、それぞれトレンドからの乖離を計算している。さらに、その乖離度合いに従って色分けしたものを、「ヒート・マップ」として公表している。

今回のレポートでは、「不動産業向け貸出の対GDP比率」が、1990年以来初めて過熱を示す「赤」に転じた。14の指標のうち過熱を示す「赤」が一つでも見られたのは、2016年以来のことだ。

その他、13の指標はいずれも中立的な状態を示す「緑」だが、その中で、「金融機関の貸出態度判断DI」、「総与信・GDP比率」、「企業向け与信の対GDP比率」、「企業設備投資の対GDP比率」の4つの指数は、いずれもかなり「赤」に近いぎりぎりの「緑」であり、早晩、「赤」に転じる可能性がある。仮に「赤」が合計5つとなれば、それはバブル期直後の1991年初頭以来のことになる。

こうした点は、不動産向け融資を中心に、銀行の融資活動に相応の過熱感が生じていることの証左、と言えるのではないか。

バブル期とは異なる新たなリスク

サブリース向け融資に関わる問題が浮上したことなどで、不動産業向け貸出の新規実行額は、現在、前年比でマイナス圏にある。しかし、そうした貸出は平均20年程度と長い融資期間を持つこと等から、不動産業向け貸出残高の増加ペースは比較的高水準を維持している。

また、日本銀行が注目しているのは、地域金融機関の貸出全体に占める不動産業向け貸出の比率が上昇を続けており、またその比率が3割を超える先が少なからず見られる点、不動産向け貸出比率を高める金融機関ほど、自己資本比率が低い傾向があることだ。これは、経営の安定性に問題のある金融機関ほど、収益回復を図るために、相応のリスクがある不動産向け貸出の増加に活路を見出す傾向がある、ということではないか。

さらに、バブル期のように大手の不動産業向けではなく、中小企業や個人向け貸出が中心となっている一方、それらは損失吸収力が高くない。また、地域金融機関は融資にとどまらず、J-REIT、私募REIT等の不動産ファンド向け出資も増加させている。

このように、かつてのバブル期には見られなかった新たな特徴にも焦点を当て、日本銀行は金融システムの安定の観点から、不動産分野の動向に警鐘を鳴らしている。

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最終更新:4/19(金) 10:22
NRI研究員の時事解説

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