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国連幸福度ランキングは、どう偏っているのか。 (本田康博 証券アナリスト)

4/18(木) 6:34配信

シェアーズカフェ・オンライン

先日「2019年版世界幸福度報告書(World Happiness Report 2019)」が発表された。初めて発表された2012年に44位だった日本の幸福度は、最新版では58位と過去最低、先進7か国では最下位だ。(国連「持続可能な開発ソリューションズ・ネットワーク」より)

この結果をどう見るかはさておき、そもそも幸福度とは一体何なのだろうか?

■幸福度とは何か
国連版幸福度について、時事通信はこう報じている。

『報告書は各国の1人当たりの国内総生産(GDP)や社会支援、健康寿命、寛容さなどを基準に16~18年の幸福度を数値化し、順位付けした。
日本の幸福度58位に低下=首位は2年連続フィンランド-国連報告書 時事通信 2019/03/21』

だが、これは説明不足だ。実際には、アンケート(※)で得た主観的幸福度に関する回答を、国ごとに平均したのが国連版幸福度だ。主観的幸福度とは、本人が感じる幸福感を何らかの方法で測定したものである。(※ 各国各年の調査対象は約1000人で、前年までの3年間が集計の対象となる。)

報告書で主観的幸福度の測定に用いたのが、「キャントリルの梯子(the Cantril ladder)」の質問だ。回答者は、「ありうる最悪の人生」を梯子の0段目、「ありうる最高の人生」を梯子の10段目と考え、現在自分がその梯子の何段目にいるのかを答える。「理想の人生」の現在の達成度を問う質問だ。評価の“ものさし”となる最悪や最高は、回答者自身が設定する。

その上で報告書は、 (1)一人当たりGDP、(2)社会的支援、(3)健康寿命、(4)人生選択の自由度、(5)寛容さ、(6)腐敗認知度等との関係を分析し、幸福度がそれぞれの指標によってどのくらい影響されるのかを示している。各指標を基準に幸福度を数値化したのではなく、アンケート調査によって与えられた幸福度という指標を、他の6つの指標を使ってどうにか分解してみました、というわけだ。(各指標の内容については、記事末尾の文末注を参照。)

■足を引っ張ったのは「人生選択の自由度」と「寛容さ」なのか
6つの指標に関して、日本の評価はそれほど悪くはない。健康寿命は世界最高水準で、一人当たりGDPも上位だ。腐敗認知度と社会的支援も幸福度の順位よりは良い。それ以外の2つ、人生選択の自由度と寛容さが足を引っ張った、というのがもっぱらの評価だ(参照・日本の幸福度、過去最低の58位 「寛容さ」足引っ張る 朝日新聞デジタル 2019/03/20)。

だが、こうした見方には疑問が残る。

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最終更新:4/18(木) 6:34
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