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リバプールは「最強」そのものだった。ポルト粉砕の理由とは? 大勝呼び込んだ指揮官の決断

4/18(木) 11:28配信

フットボールチャンネル

 チャンピオンズリーグ準々決勝2ndレグ、ポルト対リバプールの一戦が現地時間17日に行われ、1-4でアウェイチームが勝利を収めている。リバプールはこの勝利により、2季連続でのCLベスト4進出を果たした。前半だけで15本ものシュートを浴びるなど苦戦を強いられた同チームだったが、なぜここまでの点差をつけて勝利することができたのだろうか。(文:小澤祐作)

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●ポルト優勢だった立ち上がり

 昨季のチャンピオンズリーグ(CL)ファイナリストであるリバプールは、今季も欧州最高峰の舞台でしっかりと結果を残している。プレミアリーグでも激しい優勝争いを繰り広げており、選手にかかる負荷は相当なものとなっているはずだが、そうした状況でもCLで勝ち続けることができるのは、やはりチームとしての骨組みがしっかりしているのだろう。

 準々決勝2ndレグ、アウェイでの対ポルト戦で、リバプールは4-1と圧勝を収め、2季連続のベスト4入りを果たした。同ゲームでは、自分たちが持っている強さを最大限引き出したと言っていい。

 ホームでの1stレグを2-0で終えていたリバプール。大きなアドバンテージを得て迎えた2ndレグだったが、試合開始から思わぬ苦戦を強いられた。

 立ち上がりからテンション高くプレーしたポルトは4-3-3のフォーメーションを採用。1トップにはフィジカル自慢のムサ・マレガを置き、両脇にヤシン・ブライミ、ヘスス・コロナを起用した。

 サイドからの攻めを中心に行ったポルトは、中盤3枚が内側に絞り、サイドバックを上げるためのスペースを作り、そこからシンプルにクロスを上げたりシュートを放ったりとリバプールの最終ラインを深い位置まで下げさせた。

 セカンドボールを拾って二次攻撃に繋げる形も十分できており、前半からシュートを浴びせまくったポルト。守備時にはリバプールの中盤に対し猛烈なプレスを与えることで相手のビルドアップを確実に阻止し、ディフェンスラインもしっかりと押し上げた状態だったため、高い位置でボールを奪うことができた。

 1トップのマレガはボランチとCBの間にポジショニングしてポストプレーの役割をこなしながら、隙を見ては相手の背後に抜け出す動きで違いを生もうとするなど、リバプール守備陣にとって厄介な存在となっていた。

●前半はポルト圧倒

 25分が経った時点で、ポルトは実に13本ものシュートをリバプールに浴びせた。対して被シュート数は0本と、攻守両面でアウェイチームを大きく上回ったのだ。ここまでの展開では、ポルトが2点差をひっくり返す可能性もかなり高かったと言えるだろう。

 それでも試合を動かしたのはリバプールだった。26分、カウンターからモハメド・サラーがペナルティーエリア内でボールをキープすると、DFに囲まれながら右足でクロス。これに反応したサディオ・マネが合わせ、ゴールネットを揺らした。

 一度はオフサイドの判定が下され、ノーゴールかと思われたがVARにより得点が認められた。リバプールにとっては劣勢のなかで奪った貴重なアウェイゴールとなったが、ポルトにとってはあまりにショックの大きい失点となってしまった。

 この時点で2戦合計スコアは3-0。ポルトは最低でも4点を奪わなければならない非常に苦しい状況に追い込まれた。

 それでもホームチームは勢いを落とさずにリバプールゴールへと迫った。エデル・ミリトン、アレックス・テレスらサイドバックの選手も積極的に高い位置を取り、立ち上がり同様サイドからの崩しを試みた。

 対してリバプールは1点を奪い落ち着いた試合運びは見せていたものの、後手に回っていた印象は否めなかった。この日1トップに入ったディボック・オリギはあまりボールを収められず、リバプールは攻撃が停滞。守備面でもファビーニョらをうまい具合に避けられ、深い位置まで侵入を許してしまった。

 前半はこのまま1-0で終了。リバプールはリードこそしているものの、被シュート数は15本で、放ったシュート数はわずか4本に抑えられるなど、内容では圧倒されていた。

●フィルミーノ投入で流れは一変

 前半は守備に徹する時間帯が長く続いたリバプール。「ハーフタイムにそれを変える必要があった」と試合後の記者会見でユルゲン・クロップ監督はそう話していたそうだが、その言葉通り、ドイツ人指揮官は存在感を失っていたオリギに代え、ロベルト・フィルミーノをピッチに送り出した。

 そしてこの交代が、リバプールの運命を大きく変える。

 フィルミーノが入ったチームは、前線でボールがうまく収まるようになり、パスもスムーズに繋がるようになった。ブラジル人FWが前でタメを作っている間にマネやサラーといった選手も前へ押し上げることができ、前半より良い攻撃の形が作れていた。

 またフィルミーノの貢献度は攻撃面だけには収まらない。守備にも非常に尽力的な背番号9はこの日も最終ラインまで下がってディフェンスを行う姿が見られた。フィルミーノが守備に回ってくれることにより、ファビーニョら中盤トリオも前半より余裕を持ったディフェンスを発揮できるようになっており、ポルトの攻撃をうまく封じていた。

 そして65分、リバプールに追加点が生まれる。鮮やかなカウンターからの一撃だったのだが、自陣深くでボールを奪い、その起点となったのはやはりフィルミーノだった。

 相手からボールを奪ったフィルミーノがジョルジニオ・ワイナルドゥムにボールを渡すと、同選手は右サイドのトレント・アレクサンダー=アーノルドへパス。背番号66はドリブルで前進すると、反対サイドを駆け上がっていたサラーへ絶妙なスルーパスを送る。エジプト代表FWがこれを冷静に沈め、リードを広げた。

 その2分後、リバプールはコーナーキックからミリトンにゴールを決められ1点差に迫られるのだが、これで火が点いたのだろうか、ここからアウェイチームは一気にポルトを地獄へ突き落すことになる。

●“1発”を持つリバプールは強い

 76分、右サイドでボールを持ったジョーダン・ヘンダーソンが素早いクロスを中央へ送る。これを合わせたのはフィルミーノ。3-1と再びポルトを突き放した。

 83分にはジェームズ・ミルナーの蹴ったコーナーキックをニアサイドでマネがフリック。最後はフィルジル・ファン・ダイクが頭で合わせ4-1に。前半の劣勢が嘘だったかのように、リバプールはゴールネットを揺らし続けたのだ。

 試合はこのまま終了。2戦合計スコアで6-1としたリバプールが2季連続のCL・ベスト4入りを決めた。

 現地時間16日に行われたバルセロナ対マンチェスター・ユナイテッドの一戦もそうだったが、劣勢な状況でも一発を沈め、その後自分たちのペースに持ち込み相手を一気に突き放す。こうした戦い方ができるチームはやはり強い。

 リバプールもこの日、フィルミーノの投入を機に流れが一瞬にして変わったが、そこからのチームはまさに「最強」そのものだった。2点のカウンターはそれこそリバプールを象徴するようなものであり、あの1発を繰り出せることこそが強者の証だ。昨季はファイナルで涙を呑んだが、今季のリバプールにはCL王者に輝くにふさわしい強さが兼ね備えられていると言ってもいいだろう。

 もちろん課題はある。フィルミーノが何らかの理由で不在となった場合、どうやって攻撃を組み立てるのかは未だに見いだせていない。この日もオリギを先発で起用したが、攻撃は明らかに停滞していた。シーズンはもう終盤で、そのポイントを今季中に修正する必要はないとは思うが、克服しなければならないのは明らかだ。

 CLもいよいよ舞台は準決勝となる。リバプールはベスト4でバルセロナと対戦することが決まっている。もちろん、今まで以上に厳しい戦いとなるだろう。同クラブのレジェンドであるスティーブン・ジェラードがビッグイヤーを掲げてから14年。同じ土台に到達するまで、あと3試合だ。

(文:小澤祐作)

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最終更新:4/18(木) 11:28
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