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ノートルダム大聖堂、失われたものと残ったもの

4/18(木) 18:40配信

ナショナル ジオグラフィック日本版

どう再建するかは議論になるか

 また、ノートルダムがパリジャンだけでなくフランスの全国民にとって重要な建造物であることから、その再建と修復は一筋縄ではいかないだろうと、コーエン氏は懸念する。例えば、中世に作られた基礎はまだ残っているが、崩落した尖塔は元のように19世紀のゴシックリバイバル様式で建て直すのか、それともそれ以前の中世の様式にするのか、はたまた既存の建物に合わせつつも2019年式にするのかを決めなければならない。

 中世研究家のベロニク・スレイ氏はナショナル ジオグラフィックに対し、ノートルダムを元の形に戻すために必要な知識は十分にあると語る。屋根裏構造の「森」はすでに細部まで調査され、3Dスキャンしたデータが残されている。専門知識を持った職人は、中世の大工が使っていた道具を扱う技能も備えている。

 その一方で、スレイ氏はこんな疑問も投げかける。「骨組みが失われた今、元と全く同じ建物を再建すべきか、それともさらなる災害から守るため鉄骨に置き換えるべきでしょうか」

文=Kristin Romey/訳=ルーバー荒井ハンナ

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