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武南を日本一に導いた埼玉の名将が勇退。46年に及ぶ波瀾万丈の日々に終止符を打つ

4/18(木) 18:01配信

SOCCER DIGEST Web

打倒・浦和勢の宿願を果たして、全国の檜舞台へ

『打倒・浦和南』『打倒・浦和勢』をスローガンに掲げ、さらに個と組織を錬成。狭い練習場を逆手に取って1対1で独力を植え付け、4対4や5対5でつなぎの精度を上げた。

 1年後の全国高校選手権予選で初めて4強入りしたが、準決勝で浦和南にまたしても1-3と完敗し、力の差を思い知る。1年生に水沼貴史のいた宿敵は、首都圏開催に移行した第55回大会で連覇を飾る。

 翌年も準決勝に進んだが、インターハイ優勝経験のある児玉に屈し、さらに次の年も準々決勝で浦和南に1-2で敗れた。「いつもナンコウが立ちふさがり、松本先生にことごとく跳ね返された」と大山監督。

 そうして7年目のチームで大願成就となる。第58回全国高校選手権予選・準々決勝で浦和南を、決勝で児玉をともにPK戦で下し、埼玉の私学として初出場を遂げた。当時は浦和の4校と児玉に加え、城西川越や川口も高い水準にあっただけに、就任7年目で群雄割拠の埼玉を制したのは大手柄と言えた。

 高校選手権予選で初めて浦和南を倒した喜びはひとしおで、松本暁司監督への感謝の気持ちも同じくらい大きかった。「かわいがってもらってね。藤枝東をはじめとする名門が浦和南を訪れると『大山君、練習試合をやってみないか』と誘っていただいた。うちが台頭してくるかもしれないのに、強化の機会を与えてくれた松本先生は度量が違った。倒したかった監督に鍛えてもらったわけですよ」と感慨深げに振り返る。

 高校選手権予選での武南・大山vs浦和南・松本の対戦成績は、大山監督が6勝5敗で勝ち越し、決勝対決は2勝2敗の互角で終わった。

 チーム作りの基本は個の強化で、これを土台にパスワークとサイドアタックに磨きを掛けた。初めて48校が参加した第60回記念大会で初優勝。かの浦和4校を除く埼玉県勢の制覇は初で、6試合戦っての頂点も初の快挙だった。県予選決勝は浦和南をふたたびPK戦で破った。

 全国高校選手権には浦和市立と並んで最多の14度出場し、優勝と準優勝が各1度、ベスト4が3度。第69回大会で5点の中園忠和、第71回大会で8点の江原淳史が得点王に輝いた。インターハイ出場も最多の20回で、2012年度には準優勝している。

 池田太(浦和レッズ)、上野良治(横浜F・マリノス)、室井市衛(鹿島アントラーズほか)、浅利悟(FC東京)、斉藤雅人(大宮アルディージャ)、金沢浄(ジュビロ磐田ほか)をはじめ、大勢のJリーガーを育てた。FC東京・倉又寿雄、セレッソ大阪・大熊裕司、長野パルセイロ・横山雄次、ヴァンフォーレ甲府・伊藤彰といったJリーグの監督も輩出している。池田太は昨年初優勝を飾ったU-20女子ワールドカップで日本代表の指揮を執った。

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最終更新:4/18(木) 18:01
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