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仮想通貨のマイニングを中国政府が禁止へ。影響はどこまで広がる?

4/18(木) 18:11配信

WIRED.jp

中国政府が仮想通貨のマイニングを禁止する方針を打ち出した。そもそも仮想通貨の取引が禁止されている中国は、マイニングに関しては世界最大の市場でもある。電力消費や廃棄物の多さといった問題が明らかになるなか、中国だけでなく各国の規制当局も監視を強め始めた。

影響は限定的?

中国のビットコイン採掘(マイニング)業者は、以前から大きな矛盾を抱えてきた。この国では仮想通貨(暗号通貨、暗号資産)の取引やイニシャル・コイン・オファリング(ICO)は法律で禁じられているのだ。金融機関もこの分野のプロジェクトには関与できない。

一方で、中国はマイニングに関しては世界最大の市場でもあり、新たなコインを生み出すためのコンピューターが最も多く稼働している。こうしたなか、政府は仮想通貨のマイニングを禁止する方針を明らかにした。国家発展改革委員会(NDRC)が公表した450を超える「有害産業」の一覧に、マイニングが含まれていたのだ。

マイニングとは、仮想通貨の新規発行と取引の承認をコンピューターで実行し、その報酬を仮想通貨で受け取る行為のことを指す。この作業は驚くべき量の電力を消費するだけでなく、大量の電子廃棄物が産出される。

今回の動きを最初に報じたのは香港紙『サウス・チャイナ・モーニングポスト(南華早報)』だが、政府は5月7日まで意見公募を行うとしている。

影響は限定的?

一方で、これが政策として実行に移されても影響は限定的だと指摘するのは、業界アナリストのキャサリン・ウーだ。ウーによると、リストの公表は過去に行われた政府主導の仮想通貨の取り締まりとは本質的に異なる。例えば、2017年には国内の仮想通貨取引所がすべて実質的に閉鎖に追い込まれた。

NDRCが今回明らかにしたリストは、正確には「産業構造調整促進指導目録」と呼ばれ、最初のものが交付されたのは2005年だ。ただ、ここで排除の対象となる「淘汰類」に入っても、即時の全面禁止といったことが起こるわけではない。

中国のあるマイニング企業の経営幹部は『WIRED』US版の取材に対し、「政府から『禁止令』が出るのはかなり前から予測されていたことだ」と話す。しかし関係者の間では、この政策が実行に移されるまでには数年かかるとの見方が一般的だという。

それでも中国の抱える重荷を考えれば、業界の様相が一変する可能性がないわけではない。大手のマイニング業者は当局の動きを察知して、事業の国外移転を始めている。

ASIC(特定用途向け集積回路)に分類されるマイニング専用チップで最大手のビットメインは、自社装置を使ってマイニング事業も行なっているが、昨年は米国でのビジネスを拡大する方針を明らかにした。ワシントン州、テネシー州、テキサス州にマイニング用の新たな施設を開設するという。

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最終更新:4/18(木) 18:11
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