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派生モデルも存在した「ルパン三世が愛した旧フィアット500って?」

4/18(木) 18:40配信

Auto Messe Web

FIAT-Giannini 500TV

 さらに気になったFIATは、Word Vintage Carsのブースにあった濃紺のチンクェチェント。アニメ『ルパン三世』に登場し、その可愛らしいシルエットで人気を博すようになったエピソードがあります。このチンクェチェントが一風変わっているのは、有名なチューナーであるジャンニーニ(Giannini)が仕立てたコンプリートカーだから。

 FIATのチューナーとしてはアバルト(Abarth)が有名ですが、トリノで誕生し、やがてFIATに吸収されてしまったアバルトと異なり、ローマに本拠を構えるジャンニーニは、今もFIATとの友好な関係を保ちつつ、独立したチューナーとして活動を続けています。

 この500TVは、ドアが一般的な前ヒンジということから65年のマイナーチェンジ以降の500Fをベースに当時のFIAのGr.2規定に合わせて製作されたマシンと予想。パワーも498ccながら、ジャンニーニの手により35馬力(ノーマル18馬力) まで高められたホットハッチに仕上げられているのです。

FIAT-Autobianchi Nuova 500 Giardiniera

さらにGarage伊太利屋のブースにあったチンクェチェントも気になる1台。これもブース内で隣り合っていたベルヴェデーレと同様にFIAT500のワゴン版で名前は「ジャルディニエラ(Giardiniera)」。

 ベースになった2代目チンクェチェントはリアエンジンですから、単純にキャビンの後部にカーゴスペースを確保するわけにはいきません。そこでダンテ・ジアコーザが考え出したのが、エンジンを右に90度回転させて搭載する手法。こうすることによって実質的なエンジン高を抑え、床面を引き下げることが可能になったわけです。

 ボディサイズは全長3.2m弱、全幅1.3m余りと、50年前の軽自動車をひと回り大きくした程度。それでも4人乗りで、ステーションワゴンというコンパクトカーを誕生させたのだから、そのパッケージングデザインの巧みさは、流石ジアコーザ、というべきでしょう。

 1961年に登場したジャルディニエラは、68年まで生産。そして69年以降はFIATの子会社となっていたアウトビアンキに生産が移管され77年まで継続しました。オレンジが眩しいチンクェチェントは77年式と言うから、アウトビアンキでラストシーズンに生産された1台。これもレアな理由の一つと言えるでしょう。

原田了

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最終更新:4/18(木) 19:15
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