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男子寮で暮らす僕が、何度も繰り返してしまった過ちとは

4/18(木) 17:00配信

文春オンライン

連載「僕が夫に出会うまで」

 

2016年10月10日に、僕、七崎良輔は夫と結婚式を挙げた。幼少期のイジメ、中学時代の初恋、高校時代の失恋と上京……僕が夫に出会うまで、何を考え、何を感じて生きてきたのかを綴るエッセイ。毎週連載。

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(前回までのあらすじ)中学時代から何度も男の人を好きになっていた僕は、上京して寮暮らしを始める。はじめてネットの掲示板で男性と会う約束をしたが、待ち合わせ場所にあらわれたのは拍子抜けするほど普通のおじさんだった。僕はおじさんと初体験をしてしまうものの、おじさんの孤独そうな暮らしぶりに、ますます自分がゲイであることを受け入れがたく感じてしまう。

 

(前回の記事「 僕の初体験の相手は、猫と暮らすぽっちゃりのおじさんだった 」を読む)

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 僕の住む男子寮では、時々宴会が行われていた。みんな、お風呂で友達をつくってしまうから、寮の中で浮いていた僕は、1人でお酒を飲んでいた。お酒を飲むと気が大きくなってしまう僕は(だからついつい飲み過ぎてしまうのだが)、いつも僕を睨みつける人がいるグループに、僕から話しかけてみることにした。

「ねえ、どうしていつも僕をにらみつけるの? 何かしたかな? すごく感じ悪いんだけど、やめてくれない?」

 僕を睨むのはその集団の中の1人だけ。Nという奴だ。

「え、俺? いや、だって、いつも1人でいたから、気になって見てただけなんだけど。俺、目が悪りんだよ。それで感じ悪く思ったんなら、悪かったな」

「仲良くなりたいとずっと話してたんだよ」

 Nはなんの飾りっ気もない、地味な顔立ちだが、服の上からでもガッチリとした体型がわかるほど体格がよかった。そのグループで一番派手な人が言った。

「俺ら、仲良くなりたいってずっと話してたんだよ。でも風呂でも合わないしさ、名前なんて呼べばいい?」

「ななぴぃだよ。ななぴぃって呼んで。僕、大人数のお風呂が苦手でさ、だから朝こっそり一人で入ってるんだよね」

「そうだったんだ。ななぴぃ」

 Nは、一緒に飲もうと、自分の隣の席を叩いて、僕を隣に座らせた。

 お酒の勢いは時に必要だ。だが度がすぎると事故も起こる。この日、飲み過ぎた僕は、気づけばNの部屋のベッドに寝かされていた。

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最終更新:4/18(木) 17:00
文春オンライン

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