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JR九州とは違う、西鉄「レストラン列車」の勝算

4/18(木) 5:40配信

東洋経済オンライン

 今や全国の鉄道で見られるようになった観光列車。中でも豪華クルーズトレイン「ななつ星 in 九州」をはじめ、数多くの趣向を凝らした列車が走るのが九州だ。その「激戦区」に、3月23日から新たな観光列車が走り始めた。福岡県の大手私鉄、西日本鉄道(西鉄)の「THE RAIL KITCHEN CHIKUGO(ザ レールキッチン チクゴ)」だ。

【写真】中間車両のキッチンにあるピザ窯。地元産野菜を使ったピザを焼き上げて提供する

 列車はその名のとおり、車内にキッチンを備えた「走るレストラン」。地域の食材を生かした料理を味わいながら、特急で約1時間の西鉄福岡(天神)―大牟田間74.8kmを約2時間半かけてゆったり走る。

 観光列車といえば、地域外から観光客を呼び込むことを狙って走らせるのが一般的だ。西鉄の拠点である福岡を訪れる観光客数は年々増え続けており、とくに近年は外国人客が大幅に増加している。だが、この列車の主なターゲットは「地元客」だ。

■キッチンには「ピザ窯」が

 「ザ レールキッチン チクゴ」は、キッチンクロスをイメージしたという赤いチェック柄の3両編成で、客席数は52席。約5億円を投じて既存の通勤車両6050形を大改造し、中間車両は車内の大半をカウンターのあるオープンキッチンにした。

 車内設備の目玉は、キッチンに鎮座する「ピザ窯」だ。列車内では火を使えないため、まきやガスではなく電気窯だが、本格的なピザを焼き上げることができる。西鉄は「おそらく窯を積んだ車両は世界初ではないか」という。この窯で焼いたピザが、車内で提供する食事のメインだ。

 車両デザインやサービスなど全体をプロデュースしたのは、全国で飲食店などの企画運営などを手がける「トランジットジェネラルオフィス」。同社は、東北地方を走るJR東日本のレストラン列車「東北エモーション」や、車内で現代美術を鑑賞できる「現美新幹線」といった観光列車での実績もある。

 プロデュースを担当した同社の甲斐政博さんは、この列車のコンセプトについて「(西鉄からは)街に愛される観光列車にしたいということで、福岡県内に住んでいる方をターゲットとした列車をつくろうということでスタートしました。なので、ラグジュアリーといった方向ではなく、温かい家のような雰囲気の空間や料理を目指しています」と説明する。

 メインディッシュをピザにしたのはその1つだ。「福岡は食材が豊かでレベルが高いので、新鮮な食材を生かして温かい料理を提供したい、そしてお子様からお年寄りまで食べやすいという点も考えました」(甲斐さん)。

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最終更新:4/22(月) 18:41
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