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日立が「武蔵野の森」に開いた研究施設の正体

4/18(木) 5:00配信

東洋経済オンライン

 「返仁会」――。日本企業で最大規模の博士を抱える日立グループの現役社員やOBの集まりで約2000人が在籍する組織だ。初代会長は日立創立者の1人である馬場粂夫博士で、当時は「変人会」と名乗っていた。「高度の発明をなすものは、変人以外は期待し難い」という持論からついた名前だ。

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 東京・国分寺市にある日立製作所の中央研究所の正門をくぐると、眼前に飛び込むのがまさにその多くの変人が通ってきたであろう「返仁橋」だ。「一歩研究所に踏みこんだならば、変人であれ。しかし橋を渡り世間に戻る時には、人をいつくしむ心、すなわち仁に返れ」という意味が込められている。そんな返仁橋の先に日立が新たな研究施設を新設した。

■顧客と協創する研究施設

 4月11日、日立は同社最大の中央研究所に新たな研究施設「協創の森」を開設した。東原敏昭社長は同日のオープニングセレモニーで、「『協創の森』は中央研究所の研究者やデザイナーがお客さまやパートナーと一緒にアイデアを出し合い、議論を深め、日立の持つ基盤を活用いただくことでイノベーションを創出していく場にしたい」と意気込んだ。

 中央研究所は1942年に設立。国内に3拠点ある日立の研究所の中では最大規模で、約900人が研究者として研究に日夜励んでいる。横浜研究所がシステムIT関連、日立研究所がプロダクトや制御技術を中心に研究する一方、中央研究所は基礎研究や技術関連などで広範囲をカバーし、博士も多く在籍する日立の“最強頭脳拠点”といえる。

 新設した協創棟は地上4階建て。1階には前述の馬場博士の名を冠し、350人を収容できる国際会議場「日立馬場記念ホール」を設けたほか、「アイデアソン」や「ハッカソン」などオープンな議論からアイデアを創出する場「NEXPERIENCEスペース」も配置した。

 また2階にある「プロジェクトスペース」では顧客企業が持つ技術と、日立の人工知能(AI)やセンサー、ロボットなどの先端技術やIoTプラットフォーム「ルマーダ」を活用し、検証や実証を素早く繰り返すことで、技術やサービスを顧客と集中開発できるという。

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最終更新:4/18(木) 5:00
東洋経済オンライン

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