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紙の投票の限界―浜松市の住民投票で1割超が無効票に

4/19(金) 11:55配信

政治山

 4月7日(日)は統一地方選の前半戦、道府県と政令市の首長・議会議員選挙の投票日でした。

 その同日、浜松市長選・市議選とあわせて行われたのが、行政区の再編を問う住民投票です。ここでは、7つの区を3つに再編することの是非ではなく、回答方式と投票方法を検証したいと思います。

反対多数?賛成多数?読み方いろいろ

 投票結果は、以下の通りでした。

・3区案に賛成・・・・・・・・13万2249票
・3区案反対だが再編には賛成・・3万1722票
・3区案にも再編にも反対・・・15万8629票

 これを「3区案への賛否」という視点から見ると、
・賛成 13万2249票
・反対 19万351票
 で反対多数と見ることができます。

 しかし「再編の賛否」として見てみると、
・賛成 16万3971票
・反対 15万8629票
 で賛成多数と見ることができます。

 市長と市議会は結果を尊重する義務を負いますが、どのように考えるのでしょうか。調査のあり方としても疑問を感じる政治的な設問設計ですが、驚くのはそれだけではありません。

有効パターンよりも無効パターンの方が多い回答方法

 今回の住民投票の投票総数は36万256票、投票率は市長選とほぼ同じ55.61%でした。

・有効 32万2600票
・無効 3万7656票(無効投票率10.25%)

 無効投票率の10.25%というのはとても高い数字で、過去に10%を超えたのは2014年の橋下徹市長の出直し市長選など数えるほどしかなく、通常の選挙では無効票率は2%程度です。

 なぜそのような結果を招いたのか、投票用紙を見ていただければ一目瞭然だと思います。ずばり、紙の投票なのに分岐させて2段階で回答させるという手法を選んだからです。

 有効回答となるパターンは以下の3つしかなく、それ以外のパターンはすべて無効となります。

(パターン1)3区案(天竜区・浜北区・その他の5区)での区の再編を平成33年1月1日までに行うことに賛成
(パターン2)3区案には反対だが、区の再編を平成33年1月1日までに行うことに賛成
(パターン3)3区案に反対で、区の再編を平成33年1月1日までに行うことにも反対

 浜松市のホームページでも、くどいくらいに「有効投票となるのは、上記の3つのパターンのみです」と強調していますが、やはり無効票の大量発生を防ぐことはできませんでした。

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最終更新:4/19(金) 11:55
政治山

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