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アーセナルに屈したナポリ。CL、ELで結果を残せない理由は? 欠如していた決定的なポイント

4/19(金) 11:31配信

フットボールチャンネル

 ヨーロッパリーグ準々決勝2ndレグ、ナポリ対アーセナルの一戦が現地時間18日に行われ、0-1でアウェイチームが勝利している。2戦合計0-3とされたナポリは、敗退が決定。この試合では計20本ものシュートを放ったが、無得点に終わった。ナポリはなぜ欧州主要大会で結果を残すことができないのか。アーセナル戦のなかに、決定的なポイントがあった。(文:小澤祐作)

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●ナポリを封じ込めたアーセナル

 リバプール、トッテナムがチャンピオンズリーグ(CL)準決勝に勝ち上がるなど、今季はプレミアリーグ勢の欧州主要大会における活躍が凄まじい。ヨーロッパリーグ(EL)でも、チェルシーがスラヴィア・プラハを下して準決勝へと駒を進めている。

 そしてもう1チーム、アーセナルもELベスト4入りを果たしている。準々決勝で下した相手はセリエAで2位につけるナポリだ。決して楽な敵ではなかったが、結果的にはらしさを発揮した同クラブの快勝だった。

 ホームでの1stレグを2-0で勝利していたアーセナルは、2ndレグで鬼門のアウェイに乗り込んだ。対戦相手のナポリはホームでのリーグ戦でわずか1敗しか喫していないなど、本拠地サン・パオロでは無類の強さを誇っており、ウナイ・エメリ監督率いるチームはこれまで以上に集中した戦いを見せる必要があった。

 立ち上がり、予想通りナポリは攻めの姿勢を前面に押し出して挑んできた。1stレグ同様、アーセナル守備陣の背後を狙う攻撃を徹底して行っており、縦に鋭いサッカーで攻略を図ってきたホームチーム。その勢いはアウェイチームにとっては脅威だったはずだ。

 アーセナルは前半のうちに何本かシュートも放たれた。GKペトル・チェフの好セーブに救われたシーンもあった。それでも失点は許さない。逆にワンチャンスをしっかりものにした。36分にアレクサンドル・ラカゼットが直接フリーキックを叩き込んだのだ。

 貴重なアウェイゴールを奪ったアーセナルだったが、その後もナポリに攻められる展開が続いた。それでもローラン・コシェルニーを中心としたディフェンス陣は揺るがない。ブロックをしっかり築き、ナポリの攻撃陣をことごとく封じ込めた。

 結局アーセナルは90分間を無失点で乗り切った。いや、180分間だ。2戦合計3-0としたアーセナルはこれでELベスト4進出が確定。タイトル獲得へ向け、一歩前進した。

●ナポリが示した自分たちの形

 一方で心配なのはナポリだ。セリエAで2位につける同クラブは、CLでもリバプールやパリ・サンジェルマンといったチームと互角の戦いを見せるなど、持っている実力は十分なはずだった。

 しかし、アーセナル戦では少々残念な姿を見せてしまった。「もっとできるだろ」といった印象を抱いた方も多いのではないだろうか。

 だが、90分間のなかですべてが悪かったわけではない。とくに前半は攻撃の形ができており、自分たちの特徴も少なからず発揮できていた。

 たとえば23分、ファビアン・ルイスからボールを受けたロレンツォ・インシーニェがPAやや左外の位置でボールをキープし、その瞬間一気にアルカディウシュ・ミリクが背後に抜ける動きを見せ、それを見逃さなかったインシーニェがスルーパスを通したシーンは、ナポリの良さが引き出されたと言えるだろう。

 ここは結局オフサイドだったのだが、やはり敵陣中央でボールを持った際に発揮されるナポリの意外性のある崩しは脅威だ。27分にも中央のピオトル・ジエリンスキからミリクへ良いボールが入り、シュートまで持ち込むシーンがあった。このように、良い形でボールを奪い、手数をかけずに敵陣内中央エリアを徹底的に崩しにかかるナポリのサッカーは、アーセナル相手にも十分通用することを示していた。

 また、個人的に特徴を発揮していた選手もいた。カリドゥ・クリバリは最終ラインでビルドアップの起点となり、もちろん守備でも奮闘。空中戦の勝利数は6回となっており、攻守両面で存在感を放った。クリアも単純なものではなく、味方につけるためのものを意識。チームとしてのコンセプトをしっかり理解したうえで、それをピッチ上でいかんなく発揮した。

 ボランチでの出場となったジエリンスキも、守備時には危険なエリアをカバーしつつ隙あらば攻撃にも果敢に参加。ロングボール成功率は驚異の100%となっているなど、持ち味は出せていた。シュート数4本は両チーム合わせてトップの数字だ。

●ナポリに足りなかったものは?

 チームとしての良さが少なからず発揮されており、個々の能力も引き出されていたナポリ。やはり決して弱くはない、むしろ魅力的なチームであることは間違いない。それでも、無得点に終わった。足りなかったのは、最後の最後の部分だ。

 ナポリはこの日、実に20本ものシュートをアーセナルに浴びせた。しかし枠内に飛んだのはわずか2本。対してアーセナルは7本のシュートのうち4本を枠内に飛ばした。この決定力の差は、勝敗を大きく分けるポイントになった。

 また、組み立ての部分までは良いのだが、ラストパスの場面で精彩を欠くことも多かったナポリ。アーセナルの守備陣は満点の評価に値するほど強固だったが、ホームチームが自分たちでチャンスを捨ててしまう、といったシーンも少なくはなかった。最後のシュートやパスの質。この部分の欠如こそ、ナポリが欧州主要大会でなかなか結果を残せない理由なのではないだろうか。

 また、サイドに追いやられた際のオプションの無さも致命的だ。守備時は5バックになるアーセナル守備陣がナポリの特徴が最も引き出される中央エリアを徹底的に封じたことで、ホームチームはサイドに逃げなければならないといったことも多かった。ただ、ナポリはインシーニェを筆頭に空中戦で勝負できる選手が少ない。ミリクは高さもあるが、一人ではどうにもならないのは当たり前だ。

 事実、この試合でもサイドから崩しにかかってもPA内にはミリクしかいないという場面がかなり多かった。とくに後半はチームとしての勢いが落ちた影響もあったのか、ナポリの攻撃は単調となり、アーセナルの守備陣にとって脅威となっていなかった。

 それに加え、クロスの質も絶望的。とくに後半から右サイドバックに回ったホセ・マリア・カジェホンらは何本かチャンスを無駄にしていた。個人に責任を押し付けることはできないが、もう少しそのあたりの質を上げてほしかったところだ。

 現在セリエAで2位につけているナポリ。逆転での優勝はほぼ不可能だが、来季のCL出場権を獲得することが濃厚だ。そのためにも、こうした課題の克服に今から取り掛からなければならないだろう。

(文:小澤祐作)

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最終更新:4/19(金) 11:31
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