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次世代の金融取引は量子コンピューターが主役になる──動きだした大手銀行が目指していること

4/19(金) 18:11配信

WIRED.jp

バークレイズやJPモルガン・チェースといった一部の大手銀行が、量子コンピューターの活用に動き始めた。従来型コンピューターの性能を上回るときに備えて物理学者や数学者などを雇用し、プロトタイプによる実験に取り組んでいるのだ。量子コンピューターによって「金融取引の同時化」や「ほぼリアルタイムのリスク分析」などが可能になれば、金融危機の到来を事前に予測することも可能になるかもしれない。

数千レヴェルの量子ビットが実現する時代に向けて

金融業界の未来は量子コンピューターにある──。バークレイズやJPモルガン・チェースといったいくつかの大手銀行は、そう考えている。

両行は手始めに、IBMによる20量子ビットの量子コンピューターのプロトタイプをクラウド経由で使っている。企業や研究所がIBMの量子プロセッサーを研究目的で使えるようにする「IBM Q Network」を利用しているのだ。

量子コンピューターはまだ初期の段階にあり、従来型のコンピューターを性能で上回っているわけではない。だが両行は、いわゆる「量子アドヴァンテージ」のブレイクスルーに備えて、すでに物理学者、数学者、コンピュータープログラマーの雇用を進めている。IBMはこうしたブレイクスルーの定義について、「有用なコンピューティングタスクの実行において、量子コンピューターが従来型のコンピューターを上回るとき」と定めている。

普通のコンピューターの場合、データのビットはオンとオフの2つの状態のうちのどちらかであり、0または1で表す。これに対して量子コンピューターは、同時に0でも1でもあり得る量子ビットに依拠している。つまり量子コンピューターは理論上、データのたくさんの組合せを同時に操作することが可能となり、データ処理が大幅に効率化する。

ただし、そのためにはマシンの大幅な性能向上が必要になる。いまはまだエラー率が非常に高く、従来型のコンピューターを性能で上回るには至っていない。

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最終更新:4/19(金) 18:11
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