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中小企業は「昇進・昇格の基準」をどのように設定すべきか?

4/19(金) 13:00配信

幻冬舎ゴールドオンライン

※本連載は、株式会社中央人事総研代表取締役・大竹英紀氏の著書、『今いる社員で成果を上げる 中小企業の社員成長支援制度』(合同フォレスト)から一部を抜粋し、これまで100社以上のコンサルタントを通じて多くの成果を出してきた経験をもとに筆者が構築した、社員のやる気と能力を最大限に引き出して会社の業績をアップさせる「社員成長支援制度」の活用法を紹介します。

真面目にコツコツやる管理職では、成長できない時代

(1)社長の鶴の一声で決まってしまう「ドンブリ人事」

私の経験からいえることは、実は、多くの中小企業において昇格・昇進制度はあまり機能していないということです。ここでいう昇格とは、いわゆる人財役割責任等級基準において上位等級に上ること、昇進とは上の役職に就くことを指します。

運用がうまくいっていない多くの企業は、社長自身が経験や勘、恣意的な判断で等級を勝手に上げたり、管理職に任命したりしています。たとえば、年齢が40歳を過ぎ、毎日頑張っているからという理由で課長に昇進させてしまうことです。社長としては課長職にすることにより、役職手当の加算で給料アップを狙ったのでしょう。

これは実力評価で昇進をしたわけではありません。つまり「ドンブリ人事」をやっているわけです。

本当に管理職に適しているのであれば問題はないのですが、そうではないケースが中小企業では多々あります。「ほかに適任がいないから、仕方なく管理職に任命している」「年功で順番に指名している」「昔からの番頭さんだから」という正当な理由ではないことがしばしばあります。

(2)不適格管理職を適格管理職に――管理職任命の条件はリーダーシップと社長の意図をいかに汲めるか

もちろん中小企業の場合は、人数が少なく管理職に任命できる人が少ないという厳しい現実があります。しかし、いわゆる「不適格管理職」を組織にはびこらせると、現在の社員、これから入社してくる社員に悪影響を与えます。つまり人が育ちません。

ある製造業の社長が「うちの課長は、仕事は真面目にコツコツやるんだけど、どうも人の管理やリーダーシップ面では弱くて…」と、自分のそれまでの教育の不出来を反省しながら言われたことがとても印象的でした。

今、「働き方改革」という国策を中小企業も否応なく進めなければいけない時代に突入してきました。真面目にコツコツやる管理職ではなく、社長の意図を汲んで、生産性向上を目的に自ら部下を目標に向けて引っ張っていく「適格管理職」が求められます。

(3)昇格・昇進の目的

具体的な制度を作る前に、この昇格・昇進の目的をお話しします。

図表1のように、4つにまとめることができます。

1. 適所に適材を配置するため

2. 社員自ら挑戦する姿勢をつくるため

3. 計画的に人材育成を図るため

4. 公正な処遇を行うため

この昇格・昇進のルールを明確にすることは、上の等級や役職に上がる基準をはっきりとさせるということです。社員から見たら、今まで何となく等級や役職が上がってきた状況から、「こうすれば上がるんだ」という納得感と安心感があります。そうすることで、本当の力がある管理職が自然と育っていきます。もちろん、そのための教育が必要になります。

その結果、「よし、今までより高い目標を設定して、頑張ってみよう」という自律的な気持ちが生じてきます。これは私が個別指導している企業による運用上の取り組みの中からジワジワ感じることです。

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最終更新:4/19(金) 13:00
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