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「ハンバーグに卵入れない」斬新レシピ本の中身

4/19(金) 16:00配信

東洋経済オンライン

 ハンバーグには卵を入れず、練らない。鶏の空揚げは冷たい油から揚げる――。定番料理の作り方を斬新に見直したレシピ本『新しい料理の教科書』が話題を呼んでいる。今年1月に発売されてから、すでに4刷されている。目下、レシピ本は変革期を迎えており、近年はだしを取らないスープや握らない「おにぎらず」など、従来とは異なる手順の料理が数々紹介されてきたが、その中にあっても『新しい料理の教科書』は異色といえる。

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 同書で紹介されているのは、ハンバーグや豚のしょうが焼き、鶏の空揚げ、プリンといった定番ばかり。しかし、すべてのレシピに長い解説文がつく。その文章が伝えるのは、常識を覆す新しいやり方で、調理科学の知識を駆使してなぜその方法なのかまで説明されている。

■今はハンバーグに卵を入れる必然性がない

 例えばハンバーグ。定番のレシピでは、ひき肉に塩コショウ、生卵、牛乳でふやかしたパン粉、刻んで炒めたタマネギを加えてよく練り、丸めて真ん中をへこませてから焼く。同書では、まず卵を入れない。理由は「昔、流通していたひき肉が、鮮度の悪いものばかりだったので、不足した結着力を補うために入れていたのでしょう。現在、流通しているひき肉であれば卵を使う必要はありません。逆に卵を使わないことで肉の味がしっかり出ます」とある。

 そしてあまり練らない。粘りが強くなると、焼いたときに旨味のもとである肉汁が出ていってしまうからだ。ほかにも、生のタマネギを加えてパン粉を牛乳なしで加え、真ん中をへこませず滑らかなままにして焼くなど、すべての手順が従来と異なり、その理由が説明されている。分量とプロセスを書いたレシピのページにたどり着くのは、7ページにも及ぶ解説の後だ。

 なぜこのようなレシピ本を書いたのだろうか。従来のプロセスを疑い、新しいやり方を考案する発想の転換は大変なことに思えるが、著者で料理家の樋口直哉氏は事もなげに「料理人的発想なんです。僕はもともとコックなので、コックは『どうやったらおいしくできるのか』と自分なりのやり方を考えるから」と話す。

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最終更新:4/19(金) 16:00
東洋経済オンライン

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