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年金2割減なら どう考える60代後半からの人生資金

4/20(土) 7:47配信

NIKKEI STYLE

連載も最終回となりました。この連載は50代から60代前半の方々を想定して、今から退職後のお金の準備をどう進めていくかを、「働くこと」「生活コストを引き下げること」「運用すること」などの視点からまとめてきました。

最後は、60代後半以降の人生をどう想定するかを取り上げます。現在の65~79歳の生活やお金に対する向き合い方などを紹介し、皆さんのこれからの生活の参考にしていただきたいと思います。

■年を取っても生活費は不変?

2018年12月にフィデリティ退職・投資教育研究所は65~79歳の1万人以上の回答を集めた「高齢者の金融リテラシー調査」を行いました。この中では、生活費の水準や資産運用など、かなり多岐にわたった質問を行い、その回答結果を分析しています。

高齢者がどう回答したかを数字を基にイメージすることは、我々の今後の生活を考える上で参考になるはずです。今回は資産運用からは少し離れ、これからの生活の指針になるポイントを拾いました。

回答者(1万1960人)の年間生活費の平均は319.4万円(中央値289.1万円)で、回答者の36.4%が「自身の生活支出水準」に満足していると答えています。ではどの程度なら満足なのでしょう。

満足の度合いごとに生活水準の平均値を計算してみると、「現在の生活で満足」と答えた人の平均は355.6万円、「もう少し生活費が使えると助かる」は313.1万円。「かなり厳しい生活なので何とかしたい」は263.5万円、「かなり厳しい生活だがあきらめている」は213.8万円となりました。総じて300万円を超えると満足感が出てくるようです。

ということは、自身の公的年金の受取額を「ねんきん定期便」で確認して、それにあとどれくらい働いて上乗せすればいいのか、あとどれくらい資産から引き出す必要があるのかの勘所を探ることができます。もちろん退職直前の年収が退職後の生活の大きな決定要因になりますから、一概に300万円が満足レベルと言い切れませんが、一つの参考にはなるでしょう。

もう一つ確認したいのは、この生活費が70代を通じてもほぼ変化しないことです。連載では、「年齢を重ねても生活費はなかなか下がらない」ことを前提に退職後の生活必要総額を考えるべきだと書いてきました。

調査結果でもこれは明確です。グラフのように、夫婦世帯二人の家族構成で見ると年齢が高くなっても生活費は300万~350万円でほとんど変わっていません。

さらに注目したいのは、意外に多くの高齢者が公的年金だけで生活している点です。アンケートでは、「生活費のどれくらいを資産からの引き出しで賄っているか」を聞いていますが、資産からの引き出しが全くない(公的年金だけで生活している)と回答した人が全体の49.7%に達しました。厚生労働省が実施した2017年国民生活基礎調査でも、高齢者世帯のうち「公的年金・恩給のみで暮らす世帯」は全体の52.2%となっており、同等の水準だと言えます。

ここから分かることは、意外に多くの人が年金だけの生活を送っているということになり、資産運用が必要な人は半分にすぎないという事実です。しかし、我々はこのデータでどれくらい安心できるのでしょうか。

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最終更新:4/20(土) 12:15
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