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オタクが楽しく浪費できる「お金の話」 著者に聞く

4/20(土) 7:47配信

NIKKEI STYLE

「貯蓄から投資へ」のスローガンが登場して久しい。だが積み立て型の少額投資非課税制度(つみたてNISA)といった個人の資産形成を後押しする仕組みは伸び悩み、取り扱い証券会社では従来の顧客層に対する売り込みに限界を感じる営業担当者が少なくない。そんな人たちの間でいま話題なのが、一見すると浪費家で投資には縁がなさそうな「オタク層」に焦点を当てた「一生楽しく浪費するためのお金の話」(劇団雌猫と篠田尚子氏の共著)だ。

楽天証券経済研究所のファンドアナリストを務め、著名なフィナンシャルプランナー(FP)でもある篠田氏は「オタクのように支出が多い人たちでも仕組みを作れば貯蓄でき、新たな資産形成層になり得る」と指摘。オタク層の金銭感覚の確かさを評価し、消費しながらの資産形成を訴える。篠田氏と共著者のオタク女性ユニット「劇団雌猫」のかん氏に聞いた。

■発想の転換、「使うことで金銭感覚を養う」

――篠田さんはFPにありがちな「家計簿を付けて無駄な消費を減らそう」との主張とは一線を画し、好きなものへの浪費を認めつつ「使う人はためられる」と訴えています。既存の金融関係者からは「本当にできるの?」との突っ込みが来そうですが…。
篠田氏「個人がお金について考えるとき、まず消費があります。『消費を抑制して投資しよう』というのは人間の欲求に反していること。むしろ自分の好きなものを決めてお金を使う人は市場価格をよく意識し、それぞれの出費が妥当かを自分の中の価値基準で換算する能力にすぐれています。お金をためこむ人のほうが無駄な出費が多いものです。そこに注目しました」
かん氏「浪費に肯定的な篠田先生の意見は、オタクの私たちにとってとてもありがたいです」
――「資産形成は難しい」と思っている人は何から始めればいいのでしょうか。
篠田氏「これまで真面目に働いていて、年金や社会保険料をきちんと納めてきた人なら公的保障で最低限の不安要素はカバーできています。個人差がある(公的保障では足りない)部分を自分で考える必要があります。いきなり『老後のお金』と力まずに、まずは『10年で1000万円』を目標にしましょう」
かん氏「私の場合、自分や友人が今のまま楽しく浪費し続けるためにはどうしたらいいかと考えるうちに、資産形成に興味を持ち、周りを巻き込みました」
――具体的にはどんな段取りがよいでしょう。
篠田氏「月6万円、年間で70万~80万円ぐらい投資に回すお金を作るのを目標にしましょう。つみたてNISAと個人型の確定拠出年金(iDeCo)を満額使えばこのぐらいの金額になります」
――月6万円。ハードルが高いように思えますが…。
篠田氏「最初から無理をすると続きません。少額で仕組みを作ることを優先し、収入状況に応じて増やしていくのがいいと思います。そのために、趣味など『減らしたくない』分野への支出額を大まかに把握しましょう」
――それで家計簿を付けるのでは従来と同じではありませんか。
篠田氏「いえ、家計簿を付けるのではありません。オタク分野への出費なら『一定周期で確実にかかる費用』『イベント毎の不確定な費用』『臨時の出費』に分けて書き出すだけです。惰性で続けていたサービスなど減らせるものがわかってきます」

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最終更新:4/20(土) 12:15
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