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令和元年のスーツアレンジ パンツを履き替え七変化

4/20(土) 10:12配信

NIKKEI STYLE

バブル期の「ダブル仕立てスーツ」に始まった平成の仕事服の潮流は、30年を経て改元の節目を迎えた今、カジュアル化へと大きく転じている。軽さが求められる令和元年のスーツはどうあるべきか。洒脱(しゃだつ)なスーツの着こなしで定評がある伊ブランド、ブルネロクチネリジャパンのブランドメンズアンバサダー、引野実さんに新時代ならではのスーツの楽しみ方を提案してもらった。上下別々の着回し方など意外な提案が次々飛び出した。



――ビジネス街で多勢を占める定番はネイビー(紺)のスーツです。ただ保守的で重厚な印象もあります。軽快感を出すアレンジはできますか。

「みなさんがお持ちのネイビースーツをベースに着こなしを考えていきましょう。まずこちらはバンカーストライプという、英国調のクラシックなストライプです。ダブル仕立てでもあわせが浅く、ボタンを留めずにいてもシングルのような軽さがあります。肩回りの柔らかさも着回しができるかどうかのポイントです。ナチュラルな肩回りは若々しく見え、デニムとも合わせやすいのです」

■パンツはシルエット重視で

――デニムと合わせるのはハードルが高そうです。いかにもスーツの上、という感じが出ませんか。

「大丈夫。近年はスーツがますます軽くなっているのでアレンジに違和感がありません。パンツを履き替えるだけでイメージを一新することができます。ただし、ダブルジャケットの合わせが深すぎたり、肩がかっちりしすぎたりすると、エレガントなジャケットとカジュアルなデニムとのギャップが出すぎるので注意が必要です」



「夏の気候が長く続くようになったという環境変化もありますが、これまで構築的なものとして芯地が厚く作られてきたスーツが、夏でも着られる、軽い仕立てに変わっているのです」

――スーツのジャケットを応用したとは思えない着こなしです。ただパンツを変えるといっても選択肢は幅広くあります。選ぶときの注意点はありますか。

「チノパンとかデニムとか。あるいは白いパンツを合わせて、さわやかに着こなすのもすてきですよ。ただ大事なのはシルエット。ブルネロクチネリのパンツはテーパード(足首に向けて細くなっていくシルエット)ですが、こうしたシルエットがきれいなものを選ぶと若々しく、きちんと見えます」

――ビジネススタイルの定番、ネイビーのシングルスーツではどう演出できますか。

「こちらも肩パッドが薄く、柔らかいスーツ。クレリックシャツはタイドアップするとクラシックですが、タイをはずしてオープンにするとまた、アクセントになっていい。たとえばこのスタイルで出張するときはカジュアルなパンツを1本、持っていくといいですよ。イタリアスタイルでいえば、スーツで堅いビジネスミーティングをした後にバルで一杯飲もうよというときにパンツをデニムなどに履き替えてみる。同時に靴もタッセルのスリッポンに変えてみましょう。印象が一新します」



「ネイビーとのコントラストではキャラメル色のカーゴパンツもいいですね。ブラウンはネイビーやブルー系と合います。もともとイタリアには、アズーロ・エ・マローネ、青と茶という定番の色合わせがあります」

■くるぶし丈に足長効果あり

――甘いキャラメルとネイビーのコンビは絶妙ですが、カーゴパンツはデニム以上にカジュアルに見える危険性がありませんか。

「デニムと一緒でテーパードならばそう問題はありません。(カーゴパンツの特徴でもある)ポケットのマチが大きいものや、全体がゆったりしたシルエットだと合わないでしょうね。エレガントに見せるには、パンツはラインやシェイプが大切なんです。うちのスーツはジャケットだけでも着回しできるデザインにしています」

――単品といってもネイビーのパンツは生かし切れないでしょう。

「パンツはうーん……、ちょっと難しいかもしれませんね。ただ、丈をくるぶしまで上げて、白いニットと合わせるとさわやかな感じになりますね」



――引野さんの装いはブラウンのスーツ。素材の柔らかさから肩の力が抜けた雰囲気があります。

「バンカーストライプ同様、ダブル仕立てですが合わせが浅いのが特徴です。素材はウールリネンシルクで夏向き。色は葉巻の色、シガーブラウンです。やはりパンツはテーパードで、くるぶし丈に上げて軽快に着こなすと、エレガントでありながら若々しさも出ます」

■スーツアレンジ、4通りにも

――上の世代には、くるぶし丈や足首を見せることには勇気がいるという人が多いのですが。

「靴にかぶるようにクッションを入れてしまうと、やぼったくなりますよね。クッションが入らない程度だと足長効果があり、スマートにみえます。裾はダブルの仕上げがおすすめ。クッションの代わりにアクセントになりますから」

「足首を見せるのはファッションのスタイルでもありますが、夏場はソックスをはくと暑いので、足元からクールダウンする、空気をいれて足元を冷やすという機能的な意味もあります」



――ベルトやネクタイも特徴的ですね。

「スーツだからといってクラシックなベルトをする必要はありません。こちらはシルバーバックルのクロコダイルのベルトで、あえてループに通さず、たらしています。若い人の間では最近はやりの締め方ですよね。ウエストにポイントを作るだけで見え方が違ってきます。ネクタイは麻です」

――ボタンダウンのシャツの襟のボタンを留めていないのはどうしてですか。

「ブルネロクチネリ流のはずし方なのです。ボタンダウンはネクタイを締めるときははずし、締めないときはボタンを留める。タイをするときはVゾーンで少しリラックス感を出し、しないときは襟にロールを作ってドレス感を出すのです」

「スーツは単品で楽しめますよ、ともっと提案したいですね。ネクタイを締めたスタイルから、デニムやコットンパンツで、4通りくらい遊べますよ」

(聞き手はMen's Fashion編集長 松本和佳)

最終更新:4/20(土) 12:15
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