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イチローは松井秀喜を凌ぐ、稀代のホームランバッターだったのではないか?〈dot.〉

4/22(月) 16:00配信

AERA dot.

「最後にこのユニホームを着て、この日を迎えられたことを大変幸せに思います。後悔などあろうはずがありません」

【写真】数々のホームラン伝説を作った松井秀喜

 2019年3月21日、東京ドームで行われたアスレチックス戦の後に、マリナーズのイチロー選手が現役引退を表明した。後悔などあろうはずがない、という言葉に全力を出し切った彼なりの潔さを感じた。イチローの偉大な功績は今まで至るところで語られてきた。日米通算で4367安打を放ち、04年には262安打のメジャーリーグシーズン最多安打記録を達成した、イチローが日米の野球史上、類いまれなるヒットメーカーであった点に異論をはさむ人はいないだろう。

 イチローの野球人生を振り返ってみたとき、私が一方で思うのが、「イチローは希代のホームランバッターではないか」という点である。イチローの飛距離は凄いということは、彼が日本球界にいた頃から、スポーツジャーナリストらの噂で耳にはしていた。
試合前の、オリックス・ブルーウェーブ(現オリックス・バファローズ)の本拠地であるグリーンスタジアム神戸(現・ほっともっとフィールド神戸)での打撃練習では、イチローは軽々とスタンド上段まで打球を運ぶホームランバッターだという記事も読んだ。

 にわかには信じられなかったが、ヒットメーカー・イチローのイメージを覆す新たな一面を発見した思いだった。考えてみれば、確かにイチローは本塁打王のタイトルを争った年がある。1995年のパ・リーグの本塁打王はダイエー(現ソフトバンク)の小久保裕紀の28本だったが、このとき最後まで本塁打王を争った選手の一人に25本を打ったイチローがいた。この年イチローは、首位打者、打点王、盗塁王なども獲得してMVPに選ばれている。もしイチローが本塁打王になれば、打撃タイトル総なめだった。

 2011年に私は打撃投手の本を書くために、イチローの打撃投手に取材する機会があった。そのとき私はイチローが並々ならぬ長打力を持った打者であることをじかに知らされた。プロ野球には1球団に10人前後の打撃投手がいるが、だいたい打者の担当は決まっている。彼らは元プロ野球投手であったが、引退後制球の良さを買われて打撃投手として球団に残ったケースが多い。

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最終更新:4/22(月) 18:17
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