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レアル・マドリー中井卓大。「モドリッチより“強い”選手」への「途上」

4/20(土) 16:49配信

footballista

文・写真 川端暁彦

 「白い巨人の卵」が来日した……と言うと、「なんのこっちゃ」という感じだが(そもそも巨人はたぶん哺乳類だろう)、レアル・マドリーのU-16チームが日本にやって来ている。4月19日に神奈川県平塚市で始まった「U16キリンレモンカップ」に出場するためだ。

 この大会、昨年はU-15年代のカテゴリーで開催されており、今年で2回目となる。レアル・マドリーのこのカテゴリーには日本人MF中井卓大が所属しており、ちょうど彼の進級に伴って大会のカテゴリーも上がった格好である。それだけ「あのレアル・マドリーに所属する日本人選手」というバリューがあるということなのだろう。

 「ピピ」の愛称で知られる中井の名前は日本人のサッカー好きには随分と広く知られているし、この日もNHKを含めたテレビ各局が集結していた。CSテレ朝チャンネルでは放送も予定されており、夜のニュースショーである『報道ステーション』でも大きく扱われる予定とのことだった。紙メディアより映像メディアの熱が大きいのは久保建英の時と似ている。テレビ業界には大して詳しくないが、そういう需要があるのだろう。

 個人的には中井一人だけでなく、所属リーグでも首位を独走し、来週にはもう優勝が決まりそうだというレアル・マドリーのこの年代のチームを観られることを楽しみにしていたのだが、5人の主軸選手が年代別代表チームに招集されて来日できなかったとのことで、この点はちょっと残念だった。「正直、昨年来日したチームよりレベルは落ちると思う」(クラブスタッフ)ということで、実際に日本勢との試合は内容的にそこまで大きな差がつくことはなかった。

 第1試合でレアル・マドリーは東京ヴェルディと対戦。Jリーグのユースチームは「高校1年生だけでチームを作る」となると人数的に難しいものがあるので、東京Vは大会規定に基づいてオーバーエイジ選手も数名補強しつつ、中学生も加えた形で完全に臨時編成のチームを作ってこの大会に参加。U-17日本代表候補に選ばれるような選手から、中学2年生の有望株まで幅広くそろえたラインナップである。

 東京Vユースはかつて中島翔哉らが奔放に遊び心に富んだプレーを見せていた時代とは異なり、ポジショナルプレーをベースにしたロジカルなサッカーをするチーム。大会主催者が「これをレアル・マドリーにぶつけてみたらどうなるんだろう?」と思ったかどうかは定かでないものの、興味深いカードだったのは間違いない。

 試合はポゼッションプレーに関して東京Vが上回る時間帯も長く、ボールは動いていたし、レアル・マドリーのSB裏を使うところまでは形も作れていた。レアル・マドリーを率いるトリスタン・ダビッド・セラドル・ロドリゲス監督が「東京Vは時には非常にオフェンシブであり、戦略をちゃんと持っている素晴らしいチームでした」と振り返ったのも社交辞令ばかりではあるまい。ただ、東京Vがゴール前の危険地帯へ進出できた回数は数えるほど。逆にレアル・マドリーは少ないチャンスで抜け目なくゴールネットを揺らし続け、カウンターから個人能力で東京Vのやや淡泊な守備を破るなど4つのゴールを叩き込む。結局、4-1と大差での勝利になった。

 欧州・南米のトップクラスのチームと対戦した時の日本人選手のコメントは大体決まっていて、「向こうの選手は(日本と違って)決めるところを決めてくる」というやつなのだが、この試合はまさにそんな内容に。よく言われるシュートスピード、パススピードの差にも繋がるキックの質はもちろんだが、ゴール近くでのボールの置き方・運び方といった部分でのスキル、そしてもちろん、ディフェンス側のスキル・能力差がスコアの差になって表れてしまう。

 続く第2試合で対戦したのは桐光学園高校。こちらは純粋な1年生チームで、レアル・マドリーと対戦できるということで普段は3年生を含めたAチームでリーグ戦に出ている選手も呼び戻しての参戦である。ただ、入学間もないまま時期であり、一緒に練習した時間は絶対的に短い。果たしてどのくらい戦えるのか少し心配だったが、蓋を開けてみれば確かなチームスピリットを持った戦いぶりを見せた。

 1年生チームを預かる久保昌成コーチが「それを出せなければ高校サッカーじゃないですから」と断言したファイティングスピリットを個々が持ち、ビビることなく(そしてしっかり助け合いながら)レアル・マドリーに立ち向かった成果である。やや不運なPKから失点してしまったが、相手ゴールに迫るシーンも作った。もちろん、2試合目ということでレアル・マドリーがメンバーを少し落とし、早めの選手交代をしてきたという要素も加味しておく必要はあるのだが、善戦と言っていい内容だった。ただ、この試合でも結局、ゴール前だけは自由にやらせてもらえなかった点は1試合目と変わらない。連動して動く中でシュートコースには必ず人がいてゴールは隠されている。このあたりの徹底は、やはりさすがだった。

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最終更新:4/20(土) 16:49
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