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こんなバイクが市販モデルされるなんて! 伊藤真一が試乗レポート! 【HONDA RC213V-S】

4/20(土) 17:54配信

webオートバイ

感動するほどのパワーデリバリー!

これまで何度も乗ってきたRC213V-Sですが、今回は初めてクローズドではない、一般公道での試乗レポート。取材中、普通に国道の渋滞にハマったりもしたので、「なんでこんな超高級バイクで、渋滞にハマってるんだろう?」なんて、ふと我に返ったりしました(笑)。道行く人たちからの、注目度も凄かったですね。

もともと213V-Sは、プロトタイプのサーキットテストから自分が携わってきたマシン。テストコースはSUGOだったんですが、クローズドコース専用の別売りスポーツキットを装着しただけの状態で、全日本ロードレース選手権JSBクラスのワークスチーム・ライダーと同等のタイムで走れることを、ひとつの目標にしていました。それから欧州向けのフルパワー仕様車では、他の1000ccのスーパースポーツ市販車と乗り比べて、最も速いタイムを出すことを目指しましたね。結果、どちらもクリアしましたし、馬力よりも運動性能を前面に出したマシンとして、スペックの数字以上に速くて楽しめる公道用市販車になっていると思います。今日も久しぶりに乗ってみて、やっぱりいいバイクだと、あらためて感じました。

初めてテストで乗った時の印象は、「MotoGPマシンのRC213Vそのまんまだな」ってこと。当時はまだ、MotoGPマシンが16.5インチだったので(2016年から17インチに変更された)、ホイールサイズがちょっと大きくなっただけで、後は本当に変わらないなと思いました。自分はホンダのMotoGPマシン開発に、211Vと213Vで関わってきたので、どんなマシンなのかはよく分かってます。それだけに、こんなにそのままの市販車を作れるってことに、まずビックリしました。SUGOでサーキットテストした時も、タイヤ以外の足周りやセッティングを変えたりはしていないんです。サスペンションのバネレートも変えてないですし、圧側の減衰をちょっと調整した程度。あと、リアサスのコネクティングロッドが変わるから、後ろの車高がちょっと上がったくらいですね。それ以外は何も変えないままで、それだけのタイムが出せちゃうんですね。

最初は2190万円という価格ばかりクローズアップされてしまいましたが、そもそもこの作りのバイクがこの価格で市販されたって、本当に凄いことです。213Vと同じプロセスで作られている、同じスペックの車輌なわけですから、価格的にはむしろとても安い。

そして価格以上にもっと価値があるのが、213V-Sでしか味わえない上質なフィーリングです。中でも自分がいちばん感動するのは、スロットルレスポンス。スロットル開度に合わせて、本当に自然にエンジンの回転がついてくるんですよ。反応が敏感すぎるわけでもなく、遅いわけでもない。ライダーにとっていちばん気持ちのいいレスポンスが、開け始めから全開まで続いていく。スポーツキットを装着すると、それがさらに凄くなるのですが、おそらく市販車の中で、最も優れたパワーデリバリーだと思います。最初の試乗会をスペインのバレンシアでやった時、僕も現場にいたんですが、参加した名だたるジャーナリストやテスターの方たちが、「こんな感覚は初めて」、「本当に凄い」と口を揃えて言っていましたから。

213VベースのV4エンジンの出来の良さはもちろん、電子制御スロットルのスイッチや各部品、ECUもいい。とにかくすべての工作精度が素晴らしくて、自分が今までのキャリアで乗ってきたレーシングマシンと比較しても、そのレベルの高さに感心します。それを実現する技術力も含め、他には真似できないバイクであることは間違いありません。 

また、誰もが驚くほど普通に乗れるバイクであるのもスゴいこと。取材中、編集部の皆さんにも試乗を勧めたんですが、最初は価格と性能にかなり怯えてましたけど、すぐに慣れて、その後は普通に乗れてました。試乗後に「峠道をもっと走りたかった」なんて言ってたくらいです(笑)。でもそれくらい、誰が乗っても良さが分かりやすいバイクなんですよ。

確かに昔のレーサーレプリカマシンは、街で走るとかけっこかなり辛かった。いかにも「レーサー!」って感じで、手に負えなくてね。でも213V-Sは、誰もが乗れるレベルまで進化しているし、その乗りやすさが50キロ、60キロの街中でのスピードから、サーキットでの300キロ以上まで変わらない。本当にスゴいバイクだなと思います。

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最終更新:4/20(土) 17:54
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