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常総学院出身元プロ注目の強打者が32歳でキックボクシングデビュー

4/20(土) 7:58配信

webスポルティーバ

 2005年7月25日、水戸市民球場。3点差を追う9回二死、常総学院の勝田憲司はネクストバッターズサークルから祈るような気持ちで戦況を見つめていた。打席に立つ選手が塁に出れば自分まで回ってくる。「この劣勢をなんとかしてやろう!」という気持ちもあったし、2年半をともに過ごした仲間への信頼もあった。

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 しかし打者のバットが空を切り、主審の右手が上がりかかった……その瞬間、球場中が歓喜とため息に包まれたが、勝田は打席で泣き崩れる仲間に向かって「走れ!」と大声で叫んでいた。空振り三振かと思われたが、相手キャッチャーのミットからボールがこぼれていたからだ。

 だが、勝田の声はスタンドの大歓声にかき消され、仲間の耳には届かなかった。ゲームセット。受け入れがたい現実を前に、勝田はその場で呆然と立ち尽くしていた。

 あれから14年の月日が流れた。

 久しぶりに顔を合わせた勝田はすっかり頬がこけ、大人の顔つきになっていた。

 今回、勝田と会うきっかけをつくってくれたのは、昨年、DeNAを退団し、今年から社会人野球のJFE東日本でプレーすることになった須田幸太だった。

 須田と勝田は、茨城県石岡市の府中中学校の軟式野球部出身で、須田は勝田の1学年先輩にあたる。今年2月にある媒体で須田のインタビューをした際、当時の茨城の高校野球についての話で盛り上がり、そこで勝田の話題になった。すると須田が「勝田、今度、格闘技やるみたいですよ」と教えてくれた。

 格闘技――勝田が選んだ新たなステージは、意外な気もしたが、どこか納得するところもあった。なぜなら、高校時代に勝田を取材した際、彼の口から当時人気が高かったK‐1や総合格闘技についての興味をそれとなく聞かされていたからだ。とはいっても、あくまで“見る側”としての興味であり、まさか“やる側”の人間になるとは、当時は思いもしなかった。

 ひとつ意外だったのは、勝田の現在の年齢である。高校卒業後、八戸大学から社会人野球の住友金属鹿島に進んで2年間プレー。野球を辞めてすぐの格闘技転向なら「なるほど」と納得できるのだが、そこから数年の歳月が経ち、勝田は今年32歳になる。

 しかし、キックボクシングを始めて今年で3年目を迎えるという。その間、地下格闘技の大会にも数試合出たというから、まったくの素人でもないようだ。

 勝田が言う。

「(最初に地下格闘技に出た時は)サンドバッグとか、何も練習していなくて、いきなりぶっつけ本番で試合に出た感じで……それから2試合目が決まった時は『さすがに練習しなきゃダメだろう』と思って、いまのジム(Bombo Freely)に通わせてもらうことになりました」

 ジムに通い始めた当時の体重は98キロもあったそうだ。そこから3年かけて30キロ近く減量し、現在は70キロ前後まで体を絞ったと話す。ただ勝田の姿を見る限り、不健康そうな感じもなく、無理な減量をした様子はない。むしろ、体調はジムに通い始めた3年前よりもよくなっていると言う。

「本格的に(キックを)やり始めて、『もっと、もっと』と追求していくうちに、いまに至りました。今度がキックボクサーとしてのデビュー戦になるんです」

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最終更新:4/20(土) 7:58
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