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賃貸物件の退去時に過大請求されらどうする?敷金診断士に聞く対処法

4/20(土) 17:30配信

@DIME

春の引っ越しシーズン、賃貸物件の退去時に気になるのが、入居時に敷金を支払った場合に、どのくらい戻ってくるのかということ。しかし、中には敷金が戻らないどころか、過剰な額を請求されてしまうこともあるという。もし、そのような事態に陥ったらどうすればいいか。その原因や対処法、予防策を、敷金診断士に聞いた。

よくある賃貸退去時のトラブル

多くの人は、賃貸物件の退去時に、さまざまなトラブルに見舞われている。

2年前の調査になるが、株式会社ハウスメイトパートナーズが2017年4月に実施した、賃貸住宅でのひとり暮らし経験のある20~40代の引っ越し経験のある男女への「引っ越し時のトラブル経験」に関する実態調査では、4割弱の人が賃貸住宅退出時に失敗・トラブル経験があり、そのトラブルの中身は「敷金が戻ってこなかった」が31.0%、「入居したときからあった傷や汚れの修繕費を請求された」が26.8%となった。

返金があると思っていた敷金が返ってこない、というのはトラブルの中でも上位であるようだ。

退去時に過大請求された!原因は?

賃貸物件の退去時に、敷金が返ってこないどころか修繕費を過大請求されてしまうことがあるといわれる。その主な原因は? 行政書士で敷金診断士でもある梶田順久さんに聞いた。

「過大請求されるのは、大家さんが直接管理している物件に多いように思います。仲介業者が入っている場合は、国土交通省のガイドライン等の専門知識を持っているため、大きな被害を受けることはないと考えられるからです。とはいえ、仲介業者さんはどちらかというと大家さんの味方になりやすいので注意は必要です。

原状回復の費用負担が発生するのは、クロス(壁紙)の損耗が一番多いです。ただ、クロスの場合は、長期間借りていると負担割合が少なくなり、少額負担で収まることが多いです。一方で高額になりやすいのはフローリングの過失損耗です。フローリングは部分補修がほとんどなので実費負担となります。また物を落としたりすると、へこみの補修が必要です。最近はペットブームなので、ペットの飼育による損耗、特に柱などに猫の爪研ぎ痕などがあると高額請求になることもあります」

対処すれば戻ってきた事例はある
過大請求されても、然るべき対処したことで、通常の範囲内の費用負担で収まった、もしくは敷金が返ってきた事例はあるのだろうか?

「事例は数多くあります。2020年4月1日から施行される民法改正により、『敷金の性格』、『原状回復費用の意味』などが、より具体的に条例の中に組み込まれました。いずれも判例を条文として上梓したようなものですが、問題は過失の度合いをどのように判断するかです。過失の度合いは現場を見ないと判断できませんので、現場を見た上で意見をすると、その効果は大きいと思います」

万が一、過大請求されたと感じることがあれば、全国の消費者センターや不動産適正取引推進機構、東京都行政書士会、NPO法人 日本住宅性能検査協会などに相談するのがいいと梶田さんは話す。

思わぬ負担を防ぐための方法


ことが起きてからでは対処も大変になる。梶田さんに、思わぬ負担をしなければならなくなるケースを防ぐための予防策を教えてもらった。

1.入居時に現況確認をしっかりしておく。

2.退去前には国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」を一読しておく。

3.入居時点で、傷つきやすい箇所は防御シートあるいはマットなどを利用して予防策をとる。

「原状回復とは、善意の管理者の注意をもって保存した場合、こうなったであろうという状況に戻すことです。入居時の状況を貸主・借主でしっかりと把握しておくことが非常に重要です。よく入居時から『あった』『なかった』で、もめることがあります。借主の過失を立証する義務は原状回復費用の請求側、つまり大家側にあり、最初から損耗があったと言い張れば大家が困るということにもなりますが、やはり入居時の状況を双方で確認しておくことが争いを避ける第一歩です。

また、クロスなどは、張り替えられた状態で入居されたのか、前居住者からのものを継承した状態で入居されたのかによって負担割合が大きく変わってきます。その判断をするためにも入居時のチェックは欠かせません。

貸室のパンフレットに出ている間取りの図面に細かく損耗箇所を書き込み、一通は仲介業者にもう一通は自分で保管、特に気になるところはデジカメに撮っておくなどの対策が必要かと思います」

原状回復の範囲については東京都都市整備局による「賃貸住宅トラブル防止ガイドライン(第3版)」で分かりやすくイラスト付きで紹介されている。こちらも参照しよう。

今後、賃貸物件に住む場合も、事前に予防策を立てておくことで、大きな損にはつながりにくくなるだろう。

【取材協力】
行政書士 敷金診断士
梶田順久さん
診断士歴13年、1,600件超の物件の明渡しに同席。第三者的に原状回復費用の査定を行っている。HPのブログに民法改正と敷金に関する記事を6回に分けて連載。
梶田行政書士事務所
https://tokyokajita.grupo.jp

取材・文/石原亜香利

@DIME

最終更新:4/20(土) 17:30
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