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あなたは大丈夫? ベストセラーに学ぶトラウマ回復法

4/20(土) 22:10配信

ライフハッカー[日本版]

日本で、「心的外傷ストレス(PTSD)」という言葉が一般に知られるようになってきたのは、東日本大震災が大きなきっかけだったのではないでしょうか。

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『身体はトラウマを記録する-脳・心・体のつながりと回復のための手法』の著者ベッセル・ヴァン・デア・コーク博士は、トラウマ研究の第一人者です。

2011年には来日しており、東日本大震災におけるトラウマ・ケアをテーマに各地で講演を行っています。

トラウマ・ケアの第一人者によるベストセラー

コーク博士は、トラウマ体験のフラッシュバックに苦しむベトナム戦争の帰還兵へのケアで精神科医としてのキャリアをスタートしました。

その当時、1978年にはまだPTSDという診断名はありませんでしたが、コーク博士はフラッシュバックに苦しみ、パニックに陥っているたくさんの帰還兵を目にすることになりました。

トラウマを引き起こす出来事は、たとえどれほど身の毛のよだつようなものであっても、必ず一過性のものであるだけましで、フラッシュバックのほうがいっそうつらいものになりうることが、このときわかった。

いつまたフラッシュバックに見舞われるか知れたものではなく、いったんフラッシュバックが始まったら、いつまで続くかも知りようがない。(34ページより引用)

1980年にはアメリカ精神医学会によって「心的外傷ストレス(PTSD)」という診断が新たに定められ、それ以降、コーク博士はライフワークとしてトラウマのケアに邁進します。

その集大成ともいえるのが本書で、アメリカではベストセラーになっています。

トラウマの本質とは何か、トラウマによって脳はどう変化するのか、どうすればトラウマから回復することができるのか、などについて、数多くの臨床例とともに解決方法を探っています。

マインドフルネスやヨガを治療に取り入れる

興味深いのは、マインドフルネスやヨガなどの代替療法も積極的に治療に取り入れているところです。

役立つと感じた代替療法は、自ら研修を受けて、さまざまなセラピーを採用するという柔軟な姿勢が印象的です。

むしろ、行き過ぎた薬物療法に対しては批判的ですらあります。

過去数十年にわたって精神医学の主流は、薬を使って私たちの感じ方を変えることに焦点を絞ってきており、この薬物療法が過覚醒と低覚醒への対処法として容認されるに至っている。

薬については本章でいずれ論じるが、最初に強調しておかなくてはならないことがある。

私たちは、自分を安定させておくための技能を生まれながらに数多く持っているのだ。(中略)この原理は「代替療法(オルタナティブ)」として疑いの目で見られている。(338ページより引用)

たとえば、子ども時代の虐待が原因でトラウマを負ったマリリンという女性に対しては、代替療法を組み合わせた治療によってはっきりとした成果をあげています。

私はマリリンに、気持ちを鎮める技法をあれこれ教え始めた。たとえば、深い呼吸(吸って吐き、吸って吐き、を1分間に6回)に意識を集中し、体の中で息の感覚を追い続ける。

これに指圧のツボのタッピングを組み合わせると、マリリンは感情に圧倒されずに済むようになった。私たちはマインドフルネスにも取り組んだ。

心を鋭敏な状態に保ちつつ、自分がひどく恐れるようになった感覚を体が感じるのを許すことを学ぶと、マリリンはたちまち自分の感情に乗っ取られる代わりに一歩身を引いて、自分の経験を観察することが少しずつできるようになった。(217ページより引用)

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最終更新:4/20(土) 22:10
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