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「入学式のお祝いムードに水を差した」のは、本当に上野千鶴子か?

4/20(土) 14:30配信

webマガジン mi-mollet

東大入学式の祝辞からこっち、かるーく起きています、上野千鶴子ブーム。#metooの流れがついにガチになりはじめたということでしょうか。ご存知の方も多いでしょうが、上野さんは日本の女性学のパイオニアで、私は『女ぎらい 日本のミソジニー』という著書で初めてその世界に触れました。こういう文言があります。

「家父長制とは、自分の股から生まれた息子を、自分自身を侮蔑すべく育てあげるシステムのことである」

その煽情的な表現と、刃のようにズバッと核心を突く真実に、いろんな意味で、わーお!とのけ反りました。日本人のこの世代に、こんな人がいたとは、と。そんなわけで、私はあの祝辞がいろいろ物議をかもしていることに、ちょっとびっくりしたものです。上野さんの発言としては、東大の入学式という場をちゃんとわきまえた、恐ろしく穏当なものだったからです。

まあ内容にはいろいろな意見があるでしょうし、みなさん書いてらっしゃるので、それは他の方にお任せするとして。私が個人的に「なんで?」と思ったのは、この祝辞を「入学式みたいなお祝いの場でいうこと?なんでお祝いムードに水を差すの?」という人が、意外と多いことです。

「東大」というブランドが生む入学式の特別な意味

これには、なんかいろいろと、へーと思いました。私自身は、適当と書いたら漢字に申し訳ないほどテキトーな大学生だったので、そもそも入学式の祝辞なんてまったくもって聞いておらず、内容どころか一言も、誰がしたかも覚えていません。とはいえ万々が一聞いていて、その内容が説教だったとしても、「説教してらあ」くらいでなんとも思わなかったんじゃないかしら。どんな組織でもその一員になるときには、大人たちが「その名に恥じぬよう気を引き締めて」くらいのライトな説教かましてくるのはよくあることです。祝辞なのに祝ってもらえないなんて……とか思わない気がするなあ。いや絶対思わない。

でも東大生とその両親がそこに反応する気持ちは、わからないでもありません。だって、きっと東大に入るために、東大生もその親も、ものすごーく頑張ってきたに違いないから。入学式は「大学生活スタートの日」っていうより、むしろ「東大生になった日」「努力が報われた日」なわけですから、努力した分だけねぎらわれたい。みんなに「おめでとう!ついにやったね!」って言われたい。そりゃそうでしょう東大なら……と、この言い分に世の中がつい納得しちゃうところに、東大のブランドパワーがあるような気がします。

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最終更新:4/20(土) 14:30
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