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30歳「地方で薄給だった」彼女が上京で開いた道

4/20(土) 16:00配信

東洋経済オンライン

一般的に30歳は節目の年と言われている。今の30歳は1988年、1989年生まれ。景気のいい時代を知らない現在の30歳は、お金に関してどんな価値観を抱いているのか。大成功した著名な人ばかり注目されがちだが、等身大の人にこそ共感が集まる時代でもある。30歳とお金の向き合い方について洗い出す連載、いよいよ最終回。

■低所得の家庭で育つ

 この日、転職してまだ2日目だと語った咲希さん(仮名)。素朴で純粋そうな印象の女性だ。先日まで2年勤めた別の会社の事務職は年収310万円だったが、入ったばかりの今の会社の仕事では年収が350万円にまでアップするという。

 咲希さんは北海道出身で妹が1人いる。父は運送会社で働き、母はパートをしていたが、家計は火の車だった。

 「小さい頃は『ご飯が食べられればいい』というくらいの低所得。お菓子やジュースは誕生日など、何か特別な日にしか口にできませんでした。中学の頃は月1000円のお小遣いはもらえていましたが、漫画を買う程度でした。お金がなかったし、そもそも群れている女子が苦手だったので、高校の頃は修学旅行にも行きませんでした」

 貧困にあえぐなか、母は新興宗教にすがるようになった。中学の頃は咲希さんも一緒に宗教活動の手伝いをさせられていたため、部活にも入れず帰宅部に。熱心に活動する母の言うことに、ただただ従うしかなかった。また、私立高校へ進学する余裕がないため、公立高校の受験に向けて勉強にも力を入れ、無事志望校に合格した。

 高校入学後はさすがに母親の宗教の手伝いから離れてアルバイトをしようとしたが、咲希さんには吃音があってうまく話せず、ことごとく面接に落ちてしまった。しかし、インタビュー中、咲希さんの吃音が気になることはなかった。バイトはできなかったが、毎月のお小遣いが3000円にまでアップした。友達とゲームセンターで遊ぶこともあったが、家の門限が17時だったため、あまり長くは遊べなかった。

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最終更新:4/20(土) 16:00
東洋経済オンライン

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