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今も残る踏切廃止問題 「総論賛成」でも実行が難しい理由

4/21(日) 7:00配信

NEWS ポストセブン

 1998年に起きた踏切事故は487件、負傷者179人、死者130人だったが、設備の整備等により、2017年は事故件数237、負傷55人、死者101人まで減少している。ただ近年は、減少傾向は続くものの足踏み状態も続いている。踏切廃止に対しては圧倒的に賛成意見があつまるものの、いざ実行しようとすると、様々な問題で停滞している現状について、ライター小川裕夫氏がレポートする。

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 4月13日、京成電鉄の船橋競馬場前駅に隣接する踏切の遮断桿をノコギリで切断したとして、近所に住む男が器物破損の容疑で逮捕された。

 当日、京成電鉄は事故で電車が止まっており、その影響で踏切がずっと閉まったままの状態だった。それに苛立ったことを理由に遮断桿を切断したと、容疑者は供述している。

 開かずの踏切は社会問題としてたびたびクローズアップされるが、単発のネタとしてすぐに収束してしまう。それだけに繰り返し社会問題になるのだが、ここ数年でもっとも大きく開かずの踏切が社会問題視されたのは、2005年だった。当時、政界からも開かずの踏切への言及があり、開かずの踏切が国政レベルで議論されたのだ。

 このとき、口火を切ったのは小泉純一郎総理大臣(当時)だった。小泉総理からは「開いている踏切でも直前で一時停止することが開かずの踏切問題を深刻化させている」との指摘が出た。総理大臣の指示を無視することはできず、踏切前での一時停止をしなくてもいいように道路交通法の改正が検討された。しかし、警察庁は安全の確保が難しいことを理由に法改正には至っていない。

 急いでいるとき、開かずの踏切に苛立つ気持ちは十分に理解できる。とはいえ、踏切は歩行者や自動車を守るための設備。踏切を破壊すれば、鉄道のスムーズな運行が阻害されるだけではなく、歩行者・自動車といった踏切を渡ろうとする人たちも危険に晒される。いくら長時間待たされたからとはいって、その不満を踏切にぶつけるのはお門違いも甚だしい。

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最終更新:4/21(日) 10:15
NEWS ポストセブン

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