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【新研究】eスポーツで脳の老化を予防できる可能性 ― 賞金総額700億円を稼ぐスター選手のキャリアを通して

4/21(日) 9:10配信

エスクァイア

オリンピックの正式種目化も検討される「eスポーツ」。ゲームが脳にとって良い効果をもたらすとする、新たな科学研究があるようです。

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 世界的に名を馳せるゲーマー、ジョセフ・マルケスさんの手元の動きは速すぎてとらえられないほど。右手の親指がいくつものスイッチのうえを動き回り、左手の親指は忙しくシフトレバーを操っています。

 しかしながら、そんな彼も「大乱闘スマッシュブラザーズ」の大会に参戦中に25歳のジャスティン・マグラスさんと対戦した際には、旗色は良くありませんでした。

 27歳のマルケスさんは、1分間あたり325回の操作を行っており、毎秒5回、なんらかのインプット操作を行っている計算です。モニタ上で展開される視覚情報を把握し、反応し、思考し、戦略を立て、実行する、という一連の操作をミリ秒単位でこなしていきます。

 指はボタンを叩き続け、操るキャラクターは目にも留まらぬ速さで動き回ります。しかし、気を抜くことは許されません。

 2018年8月に開催された『EVO2018(=格闘ゲームの大会)』ではスター選手だった彼も、2019年の「大乱闘スマッシュブラザーズ」の大会では敗者復活戦に回る結果となっています。

 マルケスさんほどのスターが、敗者復活戦に回ってしまったことに関して、彼はそれをくよくよと思い悩むようなことはありませんでした。

 「プレイしているときには、何も考えないようにしています」と語るマルケスさん。「MangO(マンゴー)」というプレイヤーネームで知られる彼は、プレイヤーとしての10年間、一環してその方針を守り続けてきました。

 彼はeスポーツと呼ばれる賞金総額700億円の世界で戦う競技選手であり、所属チーム「Cloud9」のスター選手です。マルケスさんが初めてトーナメントに出場したのは2007年、その翌2008年には優勝を飾っており、以降ベストプレーヤーのひとりとして不動の地位を築いています。

 彼の競技するeスポーツは、選手寿命の長い世界ではありません。

 伝統的な各種スポーツは頭脳と肉体を酷使するものですが、eスポーツはメンタルを消耗する世界なのです。知識量、対物知覚のセンスや、ゲームの構造や機能についても学習し続けなければならない世界で、脳の限界に挑んでいるのです。

 競技に求められる反射神経や正確性などの能力は、20代半ばをピークに以降は低下してゆくものであり、それゆえeスポーツの世界には主に20代前半の競技選手がひしめき合っているのです。つまり、27歳のマルケスさんの「ゲームオーバー」の日は、刻々と迫りつつあるのです。2018年は自己のキャリアとしては最低の第6位という成績で、「スマブラ」のシーズンを終えました。

 「この手が反応し続ける限り、プレイを止める気はありません」とマルケスさんは言いますが、そのためには加齢による認知能力の劣化を、どうにかして遅らせなければなりません。

 多くの選手たちが、科学の進歩にも期待を寄せています。優れたトレーニング法が確立されれば、マルケスさんに限らず他の選手たちもその能力を維持するのみならず、むしろレベルアップさせてゆくことさえ可能になるかもしれないからです。

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最終更新:4/21(日) 9:10
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