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【新研究】eスポーツで脳の老化を予防できる可能性 ― 賞金総額700億円を稼ぐスター選手のキャリアを通して

4/21(日) 9:10配信

エスクァイア

なぜ、そのような現象が起きたのでしょうか?

 カリフォルニア大学アーバイン校で神経生物学の教授を勤めるクレイグ・スターク博士は、ビデオゲームが意識に及ぼす影響に関する研究を専門に行っています。マウスを使った研究などで知られる「環境エンリッチメント効果」がその答えであると、スターク博士は言います。

 遊具や迷路などを仕込んだ環境にマウスを放すことで、「新たな情報に触れたマウスが素晴らしい学習能力を発揮する」のだそうです。

 スターク博士によれば、「思わず夢中になってしまうような3Dのゲーム」を与えられた私たちは、そのマウスのような状態になるのだそうです。eスポーツ界におけるオープン・ワールド型ゲームの金字塔、「リーグ・オブ・レジェンド」を例にとって見てみましょう。

 「自分がどこを目指しているのか、どのような装備や能力を備えているのかを、随時、細かく認識しておく必要があるのです」と、スターク博士は説明します。「それゆえ、このゲームをプレイすることで、人々の海馬の好ましい状態が保たれるのです」。

 私たちの頭脳は新たな情報を学習し、それを維持することが可能です。環境エンリッチメント効果を用いて、頭脳を鍛えることができるわけです。「どこか見知らぬ土地に出かけ、そのお手元のiPhoneのGPS機能に頼らずに帰宅するのも良い考えですね」とスターク博士。

脳トレのためのゲーム、というトレンド

 肉体を使うスポーツを行うアスリートもまた、ゲームによる擬似的体験の恩恵を受けています。

 近年、NFLやNBAのアスリート達のあいだで広く使われている「ニューロトラッカー(NeuroTracker)」という、バーチャル・リアリティを駆使したゲームがあります。3D空間に現れるいくつものターゲットを、正確に認識する能力が培われるのです。

 獲得するスコアに応じて、そのシーズン全体を通じたパフォーマンスや成績の予測さえなされています。軍隊においても、バーチャル・リアリティを用いたフライト・シミュレーターなどが活用されています。NASAもまた、宇宙空間における救助活動や歩行訓練のためにVRシミュレーターを採用しています。

 「グランツーリスモ5(PlayStation用レーシングゲ―ム)』の2011年度のチャンピオン、ヤン・マーデンボローさんは、その後、現実世界でもレーシング・ドライバーとなりました(これは本当の話です。マーデンボローは2011年、9万人の参加者の頂点に立ちました。「そこでの優勝者は、レーシングドライバーのポジションを与えられる」というのが、この大会そもそもの条件だったのです)。

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最終更新:4/21(日) 9:10
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