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DS3クロスバックがSUVになってカムバック!?

4/21(日) 8:11配信

GQ JAPAN

とくに都市部ではドイツ車や一部の日本車が幅を利かせるのがトレンド真っただ中のプレミアムSUVというカテゴリー。ハイスペックや凝ったテクノロジーこそが高級車…という定石を、鼻でわらうように現れた久々のフランス製「小さな高級車」、それがDS 3クロスバックだ。

【写真を見る】オーディオにもこだわった本格志向!

フランスの小さな高級車

クルマの世界でプレミアムと呼ばれるカテゴリーはドイツメーカーの牙城で、当初のレクサスやひと昔前のボルボ辺りも、ドイツ勢のルールブックにかなり従ってしまっていた面はある。ところがフランス発で、数年前にシトロエンのハイエンドラインから派生して独立ブランドとなった「DS」は、そうした定石にまず背を向けるところから始まった。昨夏のDS 7クロスバックに続いて、今年上陸するDS 3クロスバックに南仏で試乗し、DSブランドの輪郭がよりはっきりしてきた。

DS 3クロスバックは、車格的に欧州BセグメントのプレミアムSUVクロスオーバーで、全長4118××全幅1791×全高1534mmと、日本の立体駐車場にもすんなり収まるサイズだ。競合として相まみえる「アウディQ2」や「ミニ カントリーマン(日本導入車名:クロスオーバー)」よりもコンパクトで、プレミアムでこそないが少し下の価格帯にはVW Tクロスも控える。駆動方式はFFのみ、日本仕様で当面のメインとなるパワーユニットはガソリンの3気筒1.2Lターボで、130ps・230Nmと155ps・240Nmがあるうち、まず日本に導入されるのは前者の仕様。アイシンAWの8速ATと組み合わされるものの、SUVとはいえ4WDの用意もなければ、スペック的にはプレミアムカーとしてはいかにも物足りなく映るかもしれない。

だがしかし、DS 3クロスバックは、スペックで優劣を競わせるようなクルマ選びを、最初から拒絶したところに成立している。もっといえば、パワーやトルクや0→100m加速などなど、満艦飾のスペックなどの数値を主張したり、やたら攻撃的なデザインの大きく重いボディをまとうことでプレミアムカーであると主張する、そういうレシピでは全然ない。

実車に近づく前に、まず引きめに遠目から眺めて欲しい。すると目に飛び込んでくるのは、690mmというBセグとしてはありえない大きな外径のタイヤを履いたプロポーション。215/55R18のミシュラン プライマシー4という、ふた回りほど大きなサルーンが装着していてもおかしくない銘柄のタイヤを履いている。いわば、踏ん張りが効いたままボディの肩下が分厚いという、独特の佇まいを醸し出している。しかもサイズ感がコンパクトであることも手伝って、写真で見るより実車にリアルにあたってみる方が断然カッコいいという、グッドサプライズだ。

キーを携えて近づくと、ドアパネル上とツライチで埋まっていたドアハンドルがシュっと自動的に持ち上がってアンロックされる仕掛けも、ガジェットじみているとはいえ「おっ!」と思わせる。「テスラ」や「レンジローバー ヴェラール」で見たことはあっても、このクラスで採用してきたか、というサプライズ感もある。もうひとつエクステリアで記しておくべきは、DS 3から受け継いだBピラー上のシャークフィンと一緒に、ウィンドウを下げた時に外側の水滴やホコリをこそげ落とすゴム製スクレイパーだろう。ガラスとドアパネルの間を仕切るゴム製スクレイパーがドアパネル内に隠されていることで、遠目にガラスとメタルのグラフィックと質感がすっきり、まるでコンセプトカーやクーペのようにクリーンなサイドビューを実現したのだ。

しかしDS 3クロスバックの最たる魅力は、コンパクトSUVでありながら上位機種であるDS 7クロスバック同様の世界観を受け継いだ、ミニマムリッチなインテリアだろう。「アウディQ2」の水平基調とも、「ミニ カントリーマン」の丸モチーフとも一線を画す、ダイヤモンドを思わせる菱形をあしらった個性的なデザイン、というだけではない。ステアリングやシフトノブをはじめ人間の関節の動きが届きやすいコクピットで、エルゴノミーもよく練られている。そしてこれまたBセグの標準値を(いい意味で)大きく外れた圧倒的な内装の静的質感だ。加えて、試乗車のトリムはオペラ(濃いグレー内装)、展示車はラ・プルミエール(ワインレッド内装)という初期限定版だったが、シート同様のナッパレザーがダッシュボードやドアパネルに張り巡らされ、ベルルッティの短靴よろしくパティ―ヌ加工のニュアンスが目に柔らかで心地よい。またシートクッションを構成する高密度ウレタンの柔らかさを部位ごとに最適化することで、包み込むようなタッチと確実な身体サポートを両立させつつ、経年変化によるヤレをも抑えているという。高級車慣れした大人でも、落ち着いて長い時間を過ごせるコンフォート性を備えた内装は、このクラスではそれこそ珍しい。

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最終更新:4/21(日) 8:11
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