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ビヨンセがコーチェラのドキュメンタリー『HOMECOMING』で、本当に伝えたかったこと

4/21(日) 12:11配信

WIRED.jp

おなじみとなったサプライズ

ビヨンセの場合、こうしたサプライズはすでにおなじみとなった感もある。始まりは前述の『BEYONCE』だ。この作品は先行シングルの発売や事前予告などは一切なく、2013年12月13日に突如としてiTunesに登場した。ただ、『HOMECOMING』はこれまでとは違う。

まず、配信プラットフォームはTIDALだけではない。『LEMONADE』のようにビヨンセの限定アルバムがあれば、彼女目当てのファンが殺到し、サブスクリプションが増えるのは誰の目にも明らかだろう。しかし、新作のライヴアルバムはApple MusicでもSpotifyでも聴けるのだ。

ビヨンセはジェイ・Zとコラボした「The Carters」名義でリリースした『EVERYTHING IS LOVE』に収録された『Nice』で、「ストリーミングの再生回数を気にするんだったら、『LEMONADE』はSpotifyにもアップしてた」と歌っている。これはいまも変わっていないだろう。

ビヨンセがストリーミングでのランキングを気にしているとは考えにくい。ただ、世界中のすべての人に自分の音楽を聴いてもらいたいとは思っているはずだ。

「重要なことを伝える」ツールとしての番組

また、今回はHBOではなくNetflixが選ばれた点も注目に値する。Netfilxのユーザー数は全世界で1億4,900万人いる。このプラットフォームのおかげで、コーチェラ史上初となる黒人女性のヘッドライナーという歴史的なパフォーマンスを、可能な限り多くの人に届けることが可能になるのだ。

ビヨンセは卓越したビジネスセンスの持ち主である。あるユーザーがTwitterで指摘したように、コーチェラは当日にYouTubeでライヴ配信されているが、記録映像をドキュメンタリー化したものをNetflixで見せることで、再び収益を上げることができる。

ただ、金儲けやアルバムの販売枚数、ドキュメンタリーの配信回数といったことは、大した問題ではない。もちろんアルバムは売れるだろうし、配信も好調だろう。だが、それよりも重要なのは、ネットは注目を集められるメディアであることをビヨンセが理解している点である。そして彼女は、自らにとって重要なことを伝えるために、このメディアを存分に活用しているのだ。

ビヨンセが『HOMECOMING』で話しているように、HBCUは米国社会にとって不可欠な構成要素である。だが同時に、ポップカルチャーの世界でその価値が十分に讃えられているとは言い難い。

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最終更新:4/21(日) 12:11
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