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【ボクシング】「何事もポジティブに臨む」 だから長嶺克則は、挑戦し戦い続ける

4/21(日) 10:49配信

ベースボール・マガジン社WEB

 日本フライ級1位・長嶺克則(27歳=マナベ)。昨年12月、自身のブログで引退を表明し、リングから離れた男は、ファンに深く愛される、人を惹きつけてやまない選手だった。野性味あふれるファイトスタイル、思考を尽くして語られる言葉──。彼を取材する側も、彼の魅力に心を奪われ、そして姿勢を正した。「チャンピオンになれなかった男なのに、取材していただけるなんて……」と彼は感謝を述べたが、その想いを伝えたいのはこちらだ。長年お疲れさま、そして、ありがとう──。

【この記事の写真】ブログで引退を表明し、リングから離れた長嶺克則

記者の後悔

 こんなかたちでの取材になるとは、まさか夢にも思わなかった。

 野性的な豪快なボクシングの中に、理詰めの知的さがいつも浮かび上がっていた。「どんなことを考えてボクシングを組み立てているのだろう」と、興味が尽きなかった。さらに彼の振る舞いや発言には、いつも心踊らされてきた。スターボクサー特有の、人を惹きつける香りがぷんぷんと漂う。
 しっかりと話を聞きたいという想いはどんどんと膨らんでいく。けれど、「相応の覚悟をもって臨まなければ」という思いもまた強くなる。ゆえに、二の足を踏み続けていた。

「チャンピオンになったら、それを理由にいこう」。そう決めていた。

 けれども、それは叶うことがなかった。

 昨年12月、自身のブログで引退を発表。目を負傷したのだという。

 かつて、ボクサーにとって「即、引退」だった網膜剥離を2度にわたって克服。ルール改正により、いずれも復帰を果たしていた。そんな男が、今回は断念せさるをえなかった。
 何が起きたのだろうか。どんな心の葛藤があったのだろうか。苦渋の決断だったことは、想像に難くない。

 多くのファン同様、彼の引退宣言に取り乱した。「もう、あのボクシングを見ることができない」という残念な気持ちと、「後悔の念」……。
 長嶺克則というボクサーを大切に思うからこそ湧き上がった躊躇が、完全に裏目となってしまった。
 もう、ボクサー長嶺と話をできない──。切ない気持ち以上に、よかれと思い、結果、安穏と時を過ごしてしまった自分を情けなく思った。

 だから今度こそ──。

 長嶺克則という男と話しをしたい。感謝を表したい。ただそれだけだった。

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最終更新:4/21(日) 10:49
ベースボール・マガジン社WEB

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