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トーレスは空中戦の男にあらず。 鳥栖は今季まだ1得点と悩みが深い

4/21(日) 8:03配信

webスポルティーバ

 第6節でヴィッセル神戸に勝ち、第7節の湘南ベルマール戦では終盤に追いついてドロー。リーグ戦では右肩上がりの松本山雅が、ホームに、7試合わずか1得点、最下位に沈むサガン鳥栖を迎えた。

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 試合は、開始早々から松本がハイプレスで試合の主導権を握る。前半10分、ヘディングでのボールの奪い合いから、パウリーニョがダイレクトで鳥栖の最終ラインの背後にパスを出す。鳥栖はニノ・ガロヴィッチが対応するが、前田大然が一瞬のスピードで体を入れ、左足でシュートを決めて松本が先制した。

 その後は松本がしっかりブロックを作り、場面によってはハイプレスでボールを奪い、カウンターを狙う。一方の鳥栖は、松本の3バックの両サイドのスペースを使ってクロスを多用し、フェルナンド・トーレスの頭に合わせる。時にはイサック・クエンカがボランチのポジションまで下がりボールを散らすが、なかなか決定機を作れない。

 後半に入ると、松本が鳥栖のサイド攻撃に対して、人数をかけてケアする。それでも鳥栖は執拗にサイドからのクロスを狙う。両チームとも散発的なチャンスはあったが、決めきれず、そのまま試合は終了した。最後まで集中して足を止めない、自分たちのサッカーを貫いた松本らしい勝利だった。

 逆に鳥栖は重症だ。鳥栖の前線にはトーレス、金崎夢生、クエンカと、タレントが揃っている。しかし、その3人を活かし切れていない。

 サイドからクロスでトーレスの頭を狙うという攻撃に徹していたが、そもそもトーレスはヘディングでゴールを量産するタイプの選手ではない。

 全盛期のスピードこそ影を潜めているが、ゴール前でストライカーとして必要なものをすべて持っているオールラウンダー。狭いスペースでもパスが出てくればシュートまで持っていけるし、スルーパスに反転してシュートするプレーも得意だ。

 また、クエンカにしても、点取り屋ではなく、ドルブルが得意なサイドアタッカー。このふたりを活かすには、中盤で気の利いたパスを出せる選手がいなければいけないが、今の鳥栖にはいない。アンドレス・イニエスタとは言わないが、日本人でもパスセンスのある選手がほしいところ。そしてこの2人が活きれば、金崎の得点力も上がるはずだ。

 現実問題としてそれが難しいなら、前半のような単調なクロスを上げるのではなく、サイドに人数をかけ、崩してから中央にパスを出す。そういう工夫がなければ前線のタレントを活かせないし、松本から得点は奪えない。

 それは監督の仕事になるが、ルイス・カレーラス監督についていえば、スペインで指導者としてこれといった結果を出したわけでもない。チームを攻撃的なサッカーに変えるために監督に就任したと言われているが、前線のタレントは機能できず、宝の持ち腐れになっているのが現状だ。

 これで3連敗。8試合でわずか1得点。この泥沼を抜け出すには、何か大きな手を打たないと手遅れになる。

渡辺達也●文 text by Watanabe Tatsuya

最終更新:4/21(日) 8:03
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