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米国を次に襲う不況、過去の不況との違いは?

4/21(日) 9:00配信

Forbes JAPAN

「次の不況は今までと違うものになるか?」という質問が、質問サイトのクオーラ(Quora)に寄せられた。良い質問なので、考えてみよう。

不況はどんなものでも、それぞれ特徴的な点と共通点がある。次の不況がどのようなものになるかを考える前に、まずは不況に共通する傾向や違いを歴史的な観点から見てみよう。

まずは、不況の定義を確認する。民間非営利組織(NPO)の全米経済研究所(NBER)は、米国の不況の始まりと終わりを判断する機関として広く認められている。NBERは「不況中は経済活動が顕著に停滞し、それが経済全体に広まる。期間は数カ月から1年以上続く。拡張時には、経済活動が大きく増えてそれが経済全体に広がり、期間は数年になることが一般的だ」と説明している。

NBERはまた、経済拡張中でも短期間の減退が起きることもあり、逆に不況の間でも短期的な回復を見せる場合があることを指摘している。またNBERは、特定の業界が不景気になったとしてもそれが広く拡散していない場合には「不況」という定義を使用しない。この一例は1986年の逆オイルショックだ。当時、石油業界で働く人は深刻な不景気を感じ、テキサス州の人々は不況が到来したと考えていた。しかし、他業界や米国の他地域は大きな経済成長を遂げていた。

ここで、不況の共通点について考えよう。第2次世界大戦後に起きた不況は全て、連邦準備制度理事会(FRB)による引き締め後に起きていた。他の組織の関与が見られる場合もあったが、それでも全ての不況においてFRBが関わっていた。

一方、それぞれの不況の間の違いは、深刻度と期間だ。好景気のピークの国内総生産(GDP)と不況の谷のGDPの差は最小で0.3%(2001年)、最大で4%(2008~09年)、平均は2%だった。また不況が続く期間は最短で6カ月(1980年)、最長が18カ月(2008~09年)だった。

1973~75年と1980年の不況では、石油価格の上昇が大きな要因となっていた。計量経済学者のジェームズ・ハミルトンは政治経済ジャーナル(Journal of Political Economy)に発表した論文で、第2次世界大戦後に起きた不況ではすべて、発生前に石油の価格が上がっていたものの、石油価格の上昇は不況前の景気拡大の一部であった場合もあり、必ずしも不況の原因とはなっていないと指摘した。

不況に寄与したその他の要素としては、2008~09年の住宅バブル崩壊と金融危機、2000年問題(Y2K)関連の出費増加と2001年のドットコムバブル崩壊、1990年の湾岸戦争中の消費者態度の低下、1959年の製鋼所工員のストライキなどがある。

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最終更新:4/21(日) 9:00
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