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J3最下位も味わった北九州。ミクスタと共に歩む再建への道。

4/21(日) 17:01配信

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 J3ギラヴァンツ北九州の本拠地であるミクニワールドスタジアム北九州(以下、ミクスタ)は、福岡県第二の都市である北九州市の中心、小倉駅に隣接する。

 良好なアクセスを誇る収容人員1万5000人のスタジアムは、メインスタンドやゴール裏スタンドのすべてが屋根で覆われ、機能性も抜群。さらに、バックスタンドが海に面しており、メインスタンド2階席からはその海と山々を望める最高のロケーションだ。

 ミクスタは2015年4月に着工、'17年1月に完成。それ以前は小倉駅から16kmも離れた(車で30分程度)の北九州市立本城陸上競技場を本拠地として使われていた。1万人程度しか収容できず、さらにピッチの周りを陸上トラックで囲まれていたこともあり、サッカーを観る環境は劇的に変化したと言えるだろう。

 筆者は全都道府県、世界40カ国のスタジアムを旅してきたが、ミクスタはその中でもトップクラスに挙げてもいい。まさに日本屈指のスタジアムだ。

 小倉駅を降りると、入り口まで徒歩7分と少しだけ歩くが、動く歩道も設置され、都会を感じさせる建物の間を進めば、あっという間に大きなスタジアムが現れる。初めて来た人はその壮観に驚きと感動を覚えるかもしれない。

文句ないスタジアム、地元企業も応援。

 J3第6節の北九州vs.アスルクラロ沼津の一戦で、筆者は3度目のミクスタに足を運んだ。いつ来ても素晴らしいスタジアムだ、と思う一方で、毎回必ず同じ想いが頭に浮かぶ。

 『なぜ、こんなに素晴らしいスタジアムがあるのに、北九州はJ3のままなのだろうか』

 厳しい言い方に聞こえるが、純粋にそう思いたくなるほど、ハード面は充実している。さらに北九州をサポートする企業もTOTO、安川電機、ゼンリン、ナフコ、第一交通産業、北九州銀行とすべて本社を北九州市に置く一流企業ばかり。選手の質も他チームと比べても遜色はなく、「なぜ?」がぬぐえないのだ。

新スタジアム開幕の年にJ3降格。

 北九州はミクスタが完成した年に舞台をJ2からJ3に落とした。昨年は屈辱のJ3最下位になるなど、結果を残せていない。

 '10年にJ2昇格を果たした北九州は、しばらく低迷が続いたものの、柱谷幸一監督のもとで'14年5位、'15年7位と、J1昇格を視野に入れるほど急成長を遂げていた。その中でミクスタ建設も決まり、まさにクラブは昇り調子にあった。

 だが、歯車が狂いだしたのは、柱谷幸一政権4年目を迎えた'16年。思わぬ低迷の末、まさかのJ3降格。“ミクスタ開幕”をJ3で迎える事態となった。

 「来年に新スタジアムが完成するというのに、『本当に落ちてしまうのか』と焦っていました。スタジアムをつくることは、クラブのみならず、周囲の大きな力がないと実現しません。クラブにいる人はもちろん、スポンサー企業、北九州市という地域全体を含めて、ものすごく大きな力がひとつになって実現したのに……。申し訳ないというか、そこへの責任が大きかった」

 こう語るのは'15年にザスパクサツ群馬から加入し、今年で在籍5年目を迎えるMF加藤弘堅だ。

 加藤は当時J2だった群馬から契約満了を告げられるが、真っ先に柱谷幸一監督が獲得を熱望。「北九州に拾ってもらったから、プロを続けることができた」と、決意を持って北九州にやってきた。ここからの物語は加藤のサッカー人生とリンクするものも多く、彼の証言をもとに構成していきたい。

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最終更新:4/22(月) 14:21
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