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母親が悪い?相談できない妊娠の裏に壮絶な家庭環境

4/22(月) 15:11配信

オルタナ

今年に入ってから報道された胎児の遺棄事件は、すでに6件を超えています。子どもの母親はなぜ、一人で悩み、一人で出産し、挙句の果てに我が子を遺棄しなければならなかったのか。「『母親が悪い』というのは簡単だが、彼女たちの生育歴や環境を聞くと、壮絶な状況が見えてくる。母子ともに幸せになれる方法を共に考え、サポートしたい」。2000人以上の赤ちゃんを取り上げてきた一人の助産師が、支援を始めました。(JAMMIN=山本 めぐみ)

顔の見える面談型の相談にこだわる

「小さないのちのドア」(兵庫)は、思いがけない妊娠や出産に悩む女性とお腹の中の赤ちゃんが幸せに生きられるよう支援したいと2018年9月に立ち上げられた一般社団法人です。24時間体制で電話やメール、対面による相談を受け付けており、立ち上げから7カ月ですでに600件を超える相談が寄せられました。

もともとは、「赤ちゃんポスト」を関西でも作りたいと団体設立準備を進めてきましたが、「一方的に赤ちゃんを預かる赤ちゃんポストではなく、お母さんの悩みを聞ける場所を作りたい」と面談型の相談窓口にこだわり、団体の代表理事である永原郁子(ながはら・いくこ)さん(61)が26年前から神戸で開業している助産院「マナ助産院」の中に、専用の相談室が開設されました。

訪れる女性のプライバシーを考え、助産院とは別のドアを用意。相談室と直接つながっており、周囲を気にすることなく中に入ることができるようになっています。

「赤ちゃんポストは、開けて、赤ちゃんを入れて閉めたら、もう二度と開かないんですね。つまり、一度手放した赤ちゃんを追うことはできない。ドアなら、入って話をすることができます。何も語らずその場を去るのではなく、託すことができます」と永原さん。

「話をさせてもらうなかでいろんな選択肢を知ってもらえるし、お母さんの同意がとれないと乳児院しか行き場はありませんが、実母がいることで赤ちゃんの可能性も広がります」と面談型のメリットを明かします。

「赤ちゃんポストに赤ちゃんを置き去りにすることで、お母さんは『育てられない』という思いと『赤ちゃんを捨てた』という思い、二つのネガティブな思いを抱えて生きていくことになります。しかし、両方を抱えていく必要はないのではないでしょうか」と話すのは、団体事務長であり、保健師でもある西尾和子(にしお・よりこ)さん(36)。

「極限の状態でも、二つのうち一つは話を聞くことで解決できるかもしれない。赤ちゃんだけでなくお母さんの幸せも一緒に考えていくのが私たちの役目です」と活動について語ります。

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最終更新:4/22(月) 15:11
オルタナ

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