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黄金世代・氏家英行が「小野伸二は違う世界の人間」と思ったワケ

4/22(月) 6:20配信

webスポルティーバ

世界2位の快挙から20年……
今だから語る「黄金世代」の実態
第5回:氏家英行(前編)

【写真】加地亮が語る「1999年ワールドユース」

「強いな」

 1999年ワールドユース(現U-20W杯)・ナイジェリア大会に挑んだU-20日本代表チームについて、氏家英行がそう感じたのは、グループリーグ第2戦のアメリカ戦だった。

 終始、押し気味にゲームを進めてアメリカを圧倒し、3-1と快勝。初戦のカメルーン戦に負けたショックを払拭する、見事な勝ちっぷりだった。

 その戦いぶりを見て、氏家はある確信を抱いた。

「これは『イケるな』って思いましたね。この年の元日に(当時所属の)横浜フリューゲルスが天皇杯で優勝しているんですけど(※その後、横浜マリノスと合併しチームは消滅)、(自分は)そのときの余韻が残ったままナイジェリアに来たんです。それで、アメリカ戦に勝ったとき、『これって、ちょっと前に味わった天皇杯優勝のときと雰囲気が似ているなぁ』と感じて。チームがひとつになりつつあったんで、『これなら負けないな』と思いました」

 氏家の予感どおり、ここから日本は快進撃を始めることになる――。

「みんな、うまいなぁ」

 氏家は、このワールドユースに向けての選考合宿に招集された際、初めて間近で見る小野伸二や高原直泰のプレーを見て、鳥肌が立った。

「俺は早生まれで、学年的にはひとつ上ということもあって、最初は伸二やタカ(高原)らがどのくらいすごいのか、知らなかったんですよ。それまでに対戦したこともなかったんで。

 でも、一緒にプレーしてびっくりした。違う世界の人間かと思ったし、『これはすごい。技術的には絶対に勝てない』と思いました。最終的に代表メンバーには入れましたけど、試合に出るのは難しいと感じていましたから、自分は(試合に出る)選手たちを励ましたりするサポート役に徹していこうと思いました」

 そういう場面はすぐにやってきた。

 初戦のカメルーン戦、日本は1-2と逆転負けを喫した。国際大会で初戦を落とすということは、追い詰められる状況となり、かなりの痛手だ。当然、試合に出た選手たちはショックを受けることになる。

 氏家はそこで、控え組の自分は何ができるのか、考えた。

「試合直後、(自分は)ここで、みんなと一緒に落ち込んだほうがいいのか、それとも、世界を知らない俺が『大丈夫だよ』と言って励ましてもいいものか、考えたんです。で、ふとトルシエ監督の顔を見ると、『おまえ、ちょっと盛り上げろ』って、アイコンタクトで指示してきたんです。

 それで、『まだまだイケるぞ!』って、盛り上げようと思ったんですけど、試合に出ていた選手たちはみんな、落ち込むどころか、逆に『イケるよ』って自信に満ちた表情をしていたんですよ。そこでまた、『このチーム、すげぇ~な』って思いましたね」

 氏家が驚愕したチームは、続くアメリカ戦に勝利し、イングランドにも勝って決勝トーナメントに駒を進めた。その間、チームはすでに”レギュラー組”と”控え組”とに分かれていたが、控え組は腐ることなく、レギュラー組をサポートし、チームは勢いに乗っていった。

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最終更新:4/22(月) 6:20
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