ここから本文です

エディー・ジョーンズが変えた日本のラグビーとビジネスカルチャー

4/22(月) 15:04配信

nippon.com

ラグビーワールドカップ2019日本大会、キックオフへ
生島 淳

2015年のラグビーW杯で日本代表を率いた名将エディー・ジョーンズ。その多大な影響は日本のラグビー界だけでなく、ビジネス界にまで今なお残っている。「エディーさん」を間近で取材し続けた筆者が見た、その哲学とは。

もう4年前のことなのか。
ラグビーワールドカップ(W杯)で日本がラグビー界の巨人、南アフリカを破ったのは。

1987年に始まったワールドカップにおいて、日本は2011年の大会まで、わずか1勝しか挙げたことがない弱小国だった。
唯一の勝ち星は、1991年のイングランド大会、相手はジンバブエである。
それが2015年のイングランド大会では、南アフリカに勝ち、スコットランドには完敗を喫したものの、サモア、アメリカに勝って3勝を挙げた。

ワールドカップ史上、3勝を挙げても準々決勝に進むことができなかったのは初めてのことではあったが、最終戦のアメリカに勝って帰国するという「ハッピー・エンディング」となった。
大会前、選手たちの出発を撮影するカメラクルーは数えるほどだったが、羽田空港に凱旋帰国した選手たちは、おびただしい数のフラッシュに晒(さら)された。
日本のラグビーの歴史が変わったのである。

エディー・ジョーンズという魔術師

それから4年。
日本で開催されるラグビーW杯2019日本大会の開幕が、いよいよ迫ってきた。
4年前に、何がジャパン(ラグビー日本代表)に起きたのか。
その答えを探っていくと、当時のヘッドコーチにたどり着く。
エディー・ジョーンズだ。

私は2015年に『エディー・ジョーンズとの対話』という本を上梓し、「エディーさん」(日本のラグビーライターたちは、彼のことをそう呼んだ)の発想を間近に聞く機会を与えられ、インスパイアを受けた。

現在、エディーさんはイングランド代表のヘッドコーチを務めるが、日本ではいまだにその足跡を見つけることができる。しかもそれは、ラグビー界だけでなく、ビジネスやカルチャーの面にまで及んでいる。
エディーさんは、言葉の魔術師だった。
キャッチコピーを作らせれば天下一品で、日本では馴染みの薄かった次のような言葉を次々に浸透させた。

ヘッドスタート:代表選手は合宿中、朝5時からのウェイトトレーニングを課され、ジャージのサイズが変わるほどの肉体改造を現実のものとした

ハードワーク:試合中はもちろん、練習中もハードワークができない選手には容赦ない言葉が浴びせられた

レジリエンス:エディーさんは選手たちを肉体的、精神的に徹底的に追い込み、そこからの反発力が大きくなることを期待した

1/3ページ

最終更新:4/22(月) 15:04
nippon.com

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事